午前中はワーキング・ホリデイで滞在しているサチさんとメトロ六号線ナショナル駅で待ち合わせ、駅近くで行われるブロカント(brocante, 古物市)へ案内してもらう。ここにはプロの古道具屋は来ていない、いわゆる素人のフリーマーケットだった。マンションのような建物の一階だから出店の数も五十がいいところ。それでも開始早々から家族連れでにぎわっていた。本も多数並べられている。絵本やペーパーバックがほとんどだが、熱心に通えば何か拾える可能性もなくはない。ブロカントは各地で定期的に開催されており、開催日を知らせるサイトも開設されているのであらかじめ調べておくと便利。
昼食後は単独で古本行脚。まずはノートルダム寺院にほど近いシェイクスピアー・アンド・カンパニーを目指す。住所としてビュシュリー通り(rue de la Bûcherie)をメモしておいたのだが、この通りは途中で公園のような敷地に分断されており、三十七番地を逆から探してしまったのでたどり着くのに苦労した。分かってみればいちばん目立つところにあるではないか。店頭で中国人の団体さんが記念撮影をしていた。他にもスペイン人のグループもいたし、あまりにも有名な観光スポットになってしまっている。で、つい入りそびれた。そういうところがヘソ曲がりの悪い癖だ。人が行きたがるところもいちおう見ておくべきだった。雨模様なので表の平台にもグリーンのシートが掛けられていた。
次に予定していたのがヴィーニュ書店(Librairie Vignes)である。直訳すれば葡萄畑書店だが、じつは店主の姓らしい。サンジャック通り五十七番地は、クリュニィ美術館、パリ第三大学(ソルボンヌ)のすぐそば。サンジェルマン大通りから曲がると葡萄色の軒テントが見えている。店頭の均一台もけっこう拾えるレベルで、一冊二ユーロ、三冊五ユーロという値の付け方。為替レートにかかわらず、現地の一ユーロはだいたい百二十円の感覚だと言われるようだが、古本に関しては一ユーロ百円とみてもピントはずれではないように思う。だから古本まつりでおなじみの一冊二百円、三冊五百円と同じことになる。