コタン小路が「ブックの香り」書店のすぐそばにある。ユトリロが描いて有名になった場所。画像検索すると三点「
コタン小路」出てくるが、画面左の汚れた壁は下の写真になる。ほぼそのまま百年近く保たれている。
コタン小路の階段を登ればサクレ・クール寺院に近づくが、観光はそのくらいで、とにかく古本、古本。まずは表の平台。だいたい2ユーロあたりから10ユーロくらいまでの本。ブックという英語を店名に使っているだけあって英語のペーパーバックがかなり混じっていた。
本を紐でぶらさげているのが面白い。
店内はこんな感じ。たぶんまだ新しい店なのだろう。本の量もそう多くはない(といってもパリの本屋で本が山積しているというのは今回は見なかった。けっこうすっきりした店が多いようだ)。見やすくてとてもいいが。
「ボンジュー」と入ると、パリではまずたいてい「何かお探しですか?」と問われる。「ちょっと本を見せてください」と言えば、それはそれでいいのだが、とりあえず「このリストにある本をインターネットで見たんですけど?」とリストを差し出すのが手っ取り早い。そういう客はきっと珍しくないのだろう、主人はさっと立ち上がってすぐに店の棚から二冊を抜き出した。自伝ともう一冊はJJP版のボリス・ヴィアン『心臓抜き』。
・PAUVERT Jean-Jacques, La Traversée du livre, Viviane Hamy, 2004
・VIAN Boris, L'arrache-ceour, Jean-Jacques Pauvert, 1968
どちらも状態が良い。二冊で22.50ユーロ。とりあえず支払って、棚を見せてもらう。すでに購入予算はネット検索で消費されるべく組み込まれてしまっているので、即興的に買う余裕はほとんどないのだが、やはり棚を物色するのは楽しいもの。すると、昔、日本で二の足を踏んだジュネが目に入った。後版だが8ユーロなので追加する。これは初版が一九五六年で同じジャコメッティの表紙(判型は微妙に異なるようだ)、むろん初版ならとても手が出ない。
・GENET Jean, Le Balcon, Marc Barbezart L'ARBALETE, 1983
ちなみに本の値段はかなり高価なものでも表紙を開けたところの遊び紙か扉の右上角に鉛筆で書いてある。この店で特徴的なのは2ユーロ均一を除いてほとんど全ての本にビニールカバーをかけてあること。今回廻ったなかでそこまで徹底していたのはここ「ブックの香り」だけだった。