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少年時代の京都

少年時代の京都_b0081843_2020545.jpg


『随筆』第一巻第六・七号(矢代書店、一九四六年)。京都の矢代書店については以前『詩人』という雑誌に触れたときに少しだけ説明しておいた。こちらはそのままんま随筆ばかりを集めた九十頁足らずの雑誌である。京都文化人が多く寄稿しているものの、この号あたりになると、多彩な人選になってきている。

巻頭は川田順が明治二十六年の東京根岸の物価について、当時のメモを引用して紹介している。ただし川田家のものではない。
 
 家賃 一円六十銭
 石油 五合 五銭
 食パン   四銭
 煙草    三銭
 湯銭    一銭
 さんま   一銭

石油とは灯油だろうか、五合は約0.9リットル。一万倍の物価と考えると五銭は今の五百円、ということは18リットル一万円だったことになる(ついこの間、近所の石油スタンドでは2200円以上していた、今後は円高の影響もあって少しは下がるだろうが)。煙草が三銭(=三百円)は目下の値段とそう変わらない。湯銭(銭湯)が百円は安い。さんま一銭は、もし一匹ならば、現在のスーパーの安売り価格だろう。

また宗教学者・姉崎正治(嘲風、東大教授、1923年から1934年まで同大学の図書館長)が京都での少年時代を回想しているのも興味深い。姉崎は明治六年生れ。

《幼時の環境で最もよく記憶にのこるのは町内と小学校である。仏光寺(元の四条坊門)柳馬場西へ入東前町は職人の多い町内であつた。表屋は約二十五戸、それに裏露地が三つ。昔は片桐且元の屋敷であつたといひ、その庭に稲荷があつたので、そこは稲荷裏というふ名に残つてゐた。(或はさゝやかなほこらがまだあつたかも知れぬ)その三つの中央が即ち自分の家のあつた露地であるが、今は堺町通が綾小路から仏光寺まで抜けて、昔の露地はない》《表具師、めし屋、かじ屋、指物師、木箱屋などもあつたが、子供仲間もそれ等の家の子であつて、大抵は名や面相も記憶にのこつてゐる》《西南の役の後の事とて、その人物の画を小い角形に収めたものを面子として遊びもした。奇妙な事には子供等の同情は西郷はじめ賊軍の方にあつた。又子供仲間で将棋もさした。そのむちやなやり方がくせになつて、今日でもそのくせをぬけきらない》

《町内に菓子屋があつたが、子供等には少し高尚すぎて、子供等の「なんぞ」には黒ざとうや高々金米糖を貰つた。其他食物は質素のもので、鮮魚は例のはもの外は極めて稀で、鯛のつくり身などは年に一、二回もたべたか。一番のごちさうは琵琶湖の鮎のあめだきで、冬にはぐぢのひとしほが中々のごちさうであつた》《米は江州米で、大津の米屋が時々もつてきた。野菜は豊富であり、特に岡崎大根や九条の小芋類があつた。みそ汁は時々したのみ。果実は、寺田から百姓が梨をもつてきた。柿は南山城のが美事なもので、栗は丹波のが名物であつた。桃はまだ水密などはなく西瓜とまくわ瓜とは大好物であつた。みりん酒や白酒は子供でも飲むだ。十三四歳の頃に始めてサイダーを飲むだ時には変なものとしてのどにのみ下した》

サイダーのくだり、小生の世代なら、始めて飲んだコカ・コーラという感じだろう。薬臭かった。

《小学校は豊園校と云つたが、その名はあまり用ひず、下の十二区と云つた。今もさうだらうと思ふが、京都では学区の別がはつきり四町四方を一学区として、上京と下京に各三十位あり、その番号が一般に用ひられた。下の十二校は家から二丁ばかりで、今も敷地は昔のまゝであるが、その時建物は皆一階建で、教室は八か九あつた》

下の十二区というのはいわゆる番組小学校を元にした呼び方である。ただし豊園小学校は下京第10番組小学校だった。現在は統合されて洛央小学校となっている。《番組は1872年(明治5年)には「区」として再編され、さらに1879年(明治12年)郡区町村編制法により上京区・下京区が置かれると、「組」と改められた》(ウィキペディア)ということなので姉崎の記憶が誤っているのか、組になっても区という呼び方がなされていたのか。さらに《1892年(明治25年)に学区制度を確立。番組をルーツとする学区は、1893年(明治26年)に上京区28学区、下京区32学区となり、この形は1941年(昭和16年)に学区制が廃止されるまで存続した》。これらの学区は今でも「元学区」と呼ばれて京都人のあいだでは生きている。
by sumus_co | 2008-10-25 21:46 | 京のお茶漬け
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