これは古書目録で入手したサザビーズのモランディ売り立てカタログ。けっこうな値段だった。ロンドンで一九九七年十二月九日に行われた。ホセ・ルイスとベアトリス・プラザ夫妻によるコレクションから。ヴェネズエラの富豪(?)である彼らは第二次大戦後ヨーロッパとヴェネズエラを頻繁に往復して美術品を蒐集したそうで、一九四九年にハネムーンで初めてイタリアを訪れ、モランディの絵を買った。ボローニャでモランディに会い、その人柄に魅了されたのだという。二十六点の油彩画が図版になっているが、そのほとんどは画家から直接買ったらしい。初期のメタフィジーカ時代の静物だけは旧マリオ・ブローリオの所蔵品をミラノの画廊で購入したという。これを売ってしまうのは実にもったいない。
当時のレポートを読むと、この売り立ては予想落札価格の倍以上、11,100,000ドルのセールスになったようだ。初期の静物が1,300,000ドルで最高値。一九九七年のドルはいくらだったか、とにかくその一点だけで一億五千万〜二億円くらいにはなるだろう。
とため息をついたところで、最近、J・アブラモヴィッチ『ジョルジョ・モランディ:静謐の画家と激動の時代』(杉田侑司訳、バベル・プレス)という本が刊行されたと通りすがりさんが教えてくださった。定価6,000円+税。バベルの出版部門がよくこんな本を出したものだ。ジャネット・アブラモヴィッチ(JANET ABRAMOWICZ)は、ボローニャの美術アカデミーでモランディに版画を学び、彼の助手になって、家族たちとも親しくつき合った。その後、彼女はハーバード大学の美術学部で二十年間、イタリアの近代美術を講じていたそうだ。初版はエール大学出版部から二〇〇四年に刊行されている。英語版も検索してみたが、上記新刊定価より高いし、中古もそう安くはない。
Giorgio Morandi : The Art of Silence
Giorgio Morandi : The Art of Silence 立ち読み
÷
『京阪神エルマガジン』12月号が届いた。「京阪神本棚通信」に佐野繁次郎コレクション展が紹介されている。小生のポートレイトも載っているので、ご覧くだされ。箱庭の地図も出ている。それにしても、11月1日はたいへんな一日だ。イベント盛りだくさん。よーく考えて行動しよう!