
200円で買った漢和大字典(重野安繹+三島毅+服部宇之吉監修、三省堂書店、一九一一年二十版)。表紙はこのざま、見返しが破れて、子供の落書きらしきものもあるが、本文はそう傷んでいない。使える。表紙をなんとかしたい、と思いつつ、多少手を入れてみた。

貼付けた紙の出所は、虫食いだらけの『法華会義』十三、明の智旭(1599-1655)による天台教学の書、日本では、少なくとも、天和(てんな)元年(1681)版十六冊と元禄元年(1688)版八冊が刊行されているようだ。十三ということは前者の端本だろうか、とにかく非常に薄い和紙でできている。虫穴のないところを選んで四角くカットし、何層にも貼ってみた。二枚貼ったくらいでは元表紙の赤い色が透けてくる。耳なし芳一のような字典になった。ちなみにこの字典で『ボン書店の幻』の主人公・鳥羽茂の「茂」を引いてみると。
一 草木の枝葉ゆたかにしてさかんなるにいふ字、志げる、志げし。
二 ゆたか、(豊)、さかんなり、(盛)
三 よし、うつくし、(美)。
四 材徳のすぐれてうつくしきこと。
五 つとむ、(勉)。
「いかし」とは出ていない。しげる、ゆたか、つとむ……あたりが普通の読み方ということだろう。
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『古本』34号(神田古書店連盟、二〇〇八年)。巻頭特集が「もしも、立川志の輔が古書店を作ったら…」。一九五四年生れだからほぼ同世代か。ジャズファンだそうで、エラ・フィッツジェラルドの「
LULLABIES OF BIRDLAND」とカーメン・マクレイの「
LIVE AT CENTURY PLAZA」(1968)のジャケットが載っている(リンクしたのはこのアルバムではありません)。で、これは古書目録なのだ。
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海文堂書店について福岡店長に問い合わせてみました。回答は以下の通り。
《海文堂は、先代の岡田一雄がもともと「出版社」として興しました。その海文堂出版は本社が東京(現在は、文京区水道)で、元町の現在地に神戸支店がありました(現在は、本社に統合)。なので、奥付には二つの住所が記載されていたのだと思います。
一雄亡き後、海文堂出版は一雄の長男・吉弘が継いでおり、海文堂書店は次男・節夫が見ています(ま、いわゆる同族経営ですね)。
海文堂書店が一般書店というか総合書店として展開を始めたのは1970年代からと聞いていますが……。
いま、
平野さんが『神戸・本屋漂流記』出版のために調査・研究を重ねていますので、聞いておきます(ワタシより平野さんの方が海文堂についてはずっと詳しいと思われます)。
ちなみに、調べましたら、『旅情瀬戸内海』の発行所は「瀬戸内海観光文化研究所」となっています。またこの本は、『随筆瀬戸内海』(布田源之助、S27)の増補改題として出版されています(元版の発売が海文堂かは、不明ですが)。
とりあえず、「阪神、日本一や!」と言うておきます……。》
とのことでした。