南陀楼綾繁『積んでは崩し』(けものみち文庫1、けものみち計画、二〇〇八年、デザイン=木下弥)。
一九九九年から二〇〇四年にかけて南陀楼氏が執筆した原稿のなかから書評ばかりを集めた一冊。自費出版のミニコミとはいうものの、読み易く組版されており、手作り感はあまりない。どこか馴染みのある版面だな、と思ったら、木下氏は『サンパン』のレイアウトをされていた方である。題字は野人こと武藤良子さん(ちなみに「野人」というのは漢語では「農夫」とでもいった意味です)、イラストは巨匠・内澤旬子さん。
一九九九年から二〇〇四年というのは『sumus』を発行していた時期にほぼぴったり重なる。『sumus』の名前や同人の本も何冊も登場しているし、クロニクルとしても、何だか感慨深いものがある。本を取り巻く環境が激変した時期でもあるし、教えられることは多い。また、あらためて、この短文の集成を読んでみると、天性の編集者的な触手伸び放題といった読書傾向もさることながら、啖呵の切れ味がスルドイのに感心した。スイスイ読めるオススメの一冊。
ナンダロウアヤシゲな日々