
これは海文堂書店の雑誌『ほんまに』7号(表紙・目次は別項参照)の連載「元町昔語り」に登場している安井写真機店の店頭風景(昭和三年)である。同店は大正元年に五丁目山側で創業、昭和三十四年に閉店したという。初めは大阪の上田写真機店の神戸特約店だった。
上田写真機店についてはすでに二月に言及したので参照されたい。
この記事の中に光村利藻(みつむら・としも)のことが出てくる。
光村印刷の創業者である。利藻の父・弥兵衛は神戸の豪商として知られた人物だった。文政十年(1827) 周防国熊毛郡(現・光市、伊藤博文、井上馨と同郷) に豪農の子として生まれ、横浜で外国人相手に商売をして成功。そのとき伊藤らの密航を助けたという。慶応三年に神戸へ本拠地を移し、兵庫県知事となった伊藤博文の元で、神戸港の通商、為替、入出国管理、さらに郵便事業までを手広く掌握していたらしい。
利藻は妾の子として大阪で生れ、神戸の父の元に引き取られて寵愛された。明治二十四年、十四歳のときに神戸の居留地のトムソン商会で初めて写真機を購入したことがきっかけでカメラの世界にのめり込んで行ったという。アマチュア写真家のさきがけだった。明治二十六年に上京して慶応義塾に入る。大橋乙羽、巌谷小波らと親交を結ぶ……。と長くなるので以下省略。
もうひとつ、今号の『ほんまに』には牛津太郎という人が「本のある街角から」と題してイギリスの書店事情をレポートしている……というか、ほとんどギャグの連発に終始。掲載されてる写真に見覚えがあると思ったら「オックスフォード」じゃないですか。ひょっとしてNさんのお友達(?)。牛津太郎って「ぎゅーじったろう」か「ぐずったろう」か。連載らしいから、今後のギャグの展開が……多少心配です。
÷