
風邪で寝て居る間に読んだ本ではゴンクール兄弟の『ヂェルミニィ・ラセルトゥウ』(大西克和訳、岩波文庫、一九五〇年二刷)が断然面白かった。この岩波文庫、初版ではないが、文庫専門店ではけっこうな値段が付いている。文庫といってもあなどれない。もちろんこれは100円(帯付)だった。
大西克和は『ゴンクウルの日記』三巻(鎌倉文庫、一九四七〜九年)および『ゴンクールの日記』五巻(角川書店、一九五九〜六四年)が大きな仕事で、他にゾラやドーデも訳している。『ヂェルミニィ・ラセルトゥウ』について言えば、意味不明な和訳(意訳?)も散見されるものの、全体の調子がなかなかの名文で、読みやすく仕上がっていると思った。