百田宗治著・小山内龍絵『オヤマノカキノキ』(帝国教育会出版部、一九四一年)。かなり傷んで、落書きも多いが、とにかく百田宗治の本だ。200円。絵を描いた小山内龍については
小山内美術館のHPに略歴が出ている。
《1904年北海道函館市に生まれる。本名は澤田鉄三郎。小学校卒業後、貨物船の船員をするが心臓の発作の為船を降り、昭和6年「週間[ママ]アサヒ」の懸賞に応募して漫画家としてデビュー。昭和12年頃から「コドモノクニ」を舞台に児童文学作品を手掛ける。[略]1945年の東京大空襲で焼け出され、疎開先の北海道大野町に42歳の若さで他界する。現在函館市によって作品の収集が行われている。》
お話は、子猿の三キチが木の上から遠方の山のお寺においしそうに熟している柿の実を見つけ、兎のピョンタラウと栗鼠のタマコと子熊のジラウと四匹で探しに出かける、ところが道に迷ってしまって、困っているところにトビがやってきて、その案内でなんとか元の山へもどることができたというもの。トビがあの柿は渋柿だよと教えてくれる。
単純だが、なんとも暗示的ではないか。昭和十六年七月発行というと真珠湾攻撃の五ヶ月ほど前になる。トビで連想するのは、もちろん金色のトビ、『日本書紀』巻第三、神武天皇のくだりに見えている瑞鳥である。長髄彦を攻めあぐねていた神武の弓に金色のトビが降りて止まり、その光輝によって勝利をもたらしたという。戦時下、庶民の煙草だった「ゴールデンバット」は「金鴟(きんし)」と名前を変えたくらいだから、誰でも知っていた神話であろう。『オヤマノカキノキ』は復刻版も出ている。
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三日にオーネット・コールマンがフランスの
ヴィエンヌ VIENNE の円形闘技場でコンサートを開いたそうだ。七十八歳。Al McDowell(ギター)、Tony Falanga(ベース)、そして息子の Denardo Coleman(十三歳のときから父といっしょに演奏しているとか)とのカルテットで、気温十四度、一日中降っていた雨が夕刻小止みになったところで三千人の聴衆を熱狂させた、と
Le Monde が書いていた。
ということで「at the "golden circle" stockholm」(BLUE NOTE, 1965)を聴きながら仕事をすることに。ライヴなので最初に司会の声が入っている。
「……オーネッ、コーマン、トゥリオ!」
たまたま横を通りかかった妻が反応した。
「え、
コーナン?」
「それはスーパーだろ」
「ちがうわよ、ホームセンターよ!」
逆ねじを食ったのでありました。
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コンサートと言えば、扉野良人氏がコンサートを開く、じゃなくて、繭ごもり(坂巻紗代、佐藤俊輔)と見原洋子&川辺ぺっぺいのコンサートに作詞担当として参加するとか。みなさまご興味ある方はぜひお出かけください。
⦿7月17日(木)19:00〜
中崎町 common cafe