『サンパン』第14号、六月初めにできていたが、紹介するのが遅くなった。巻頭が森山道太郎「蓬莱屋と帖面舎」。矢部登氏が蓬莱屋の森山氏の談話をまとめている。書肆山田の山田耕一が庄司浅水の紹介で訪ねて来て、書肆山田の本を作ることになったというところにとくに興味をひかれた。「帖面舎本書目」によれば書肆山田の受託製作だけでも二十九冊挙っている。矢部氏によるこの書目も労作である。
西村義孝「垂水書房と天野亮と吉田健一と」の七頁にわたる「垂水書房出版一覧」もさすが西村氏と唸らせられるできばえ。帖面舎と垂水書房のリストの両方に登場する著者に福原麟太郎の名前がある。なるほど。
荻原魚雷「古山高麗雄 二十八歳の幻のデビュー作を読む」もすごい。『古本暮らし』の出版祝いとしてもらった『雄鶏通信』一九四九年十一月号に「プレオー8の夜明け」のプロトタイプともいうべき「裸の群」が掲載されており、それはいままで知られていなかった資料だった、という内容。他も力作揃い。
購入については東京堂書店の地方小リトルプレス・コーナーまで。
東京堂書店
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紀伊國屋書店の『scripta』8号が届く。内堀弘「予感の本棚」第十二回は銀座紀伊國屋書店のビルの写真が見つかった話。これには驚いた。『銀座復興〈大銀座〉の街並から』(銀座文化史会、一九九五年)に載っていた。昭和六年の紀伊國屋書店銀座店と同じ場所で昭和四年に撮影した警醒社書店の建物も。しかもそれらふたつとも西村伊作の西村建築事務所が建てたものだったという。ますます驚いた。警醒社書店の建物には他に、福永書店、文化生活研究所、そして西村建築事務所が置かれていた。『scripta』は紀伊國屋書店で入手されよ。
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さていよいよ明日が個展の最終日となる。午後五時まで。駆け込み観覧してください!