平山蘆江『日本の芸談』(和敬書店、一九四九年、装幀=高木四郎)。昭和十七年に出たものの改訂初版。本体は和綴になっている。口笛文庫での買物。高木四郎のジャケットが利いている。
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最近気になった本に関する数字を少々挙げておく。まず『日本古書通信』947号の巻頭、星野渉氏(文化通信社)による「出版、書店の現在と将来」より。
《欧米では、オンライン書店の売り上げが全体に占める割合は一割程度が上限であろうといわれています。書籍の流通がどんどんインターネットにシフトしていくのかというとそうでもない。日本の書籍売り上げの中で客注品の比率は八パーセントほどと言われていましたが、取りこぼしを拾い上げて一割というのが、その数値に対応しているのではないかと思います》
《ドイツは新刊が毎年九万五千点、イギリスでは一一万五千点くらいで、八万点弱の日本より多いのですが、返品率は日本の三八・五パーセントに対して、ドイツやイギリスは五パーセントから多くて一五パーセントです。ですから返品率が上がってしまうのは新刊点数とは関係なくて、委託販売という返品自由の方式を採用している限り、返品率の低下は望めないのではないかと考えます》
ちなみにドイツの人口は8200万人、イギリスは日本の半分6000万人だ。人口半分で新刊点数は1.5倍、しかも返品率はかなり低い。個人的な感触ではそうとも思えなかったが、イギリスは本好きの国と言ってもいいのだろう。それから古本をからめたところで『古書月報』(東京都古書籍商業協同組合)428号にこういう数字が載っていた。
《新刊書は年間でほぼ二兆円の売り上げがある(大雑把に言って雑誌一兆円、書籍一兆円)。東京組合の年間の交換会出来高が四十億そこそこで、これに各地の出来高を加えても五十億に届くことはない》
50億は卸値だから古書小売の売り上げが、仮に、その四倍としても200億円、新刊売り上げの1パーセントにすぎない(実際はどうなのか知りません)。数字で示されると味気はないが、ぼんやりと感じ取っていた世界の見え方が違ってくる。