水曜日は古本屋が休みの日。三ノ宮駅前のブックオフのぞくが何もなし。後藤書店のあとは以前どなたかが知らせてくださったようにラコステになっていた。
そのまま画廊に向かう。ハンター坂のG島田の手前にある神戸カソリック教会。道路端の石のベンチにインド人のおばあさんがぼんやりと座っていた。
個展会場への入場者はそう多くはないものの次々とぎれないので気が抜けない。評判は上々だが、そうポンポン売れるわけもない。さすがに大西巨人『深淵』の表紙に使われた絵は二点とも売れた。本といっしょに並べてみた。
ある歌人の方より赤瀬川原平が装幀した『中村義則詩集』(他人の街社、一九六七年)を頂戴する。川仁宏(かわに ひろし)と中上哲夫が文章を寄せている。川仁は中西夏之、高松次郎らとともに行った「山手線事件」で知られ、一九六九年より現代思潮社で出版企画編集に携わり「美学校」の設立を主導したという。本書収録の川仁の「頸縄あるいは水いろのリボン・タイ」はほとんど意味不明。きっと当時の人々(川仁三十四歳)には通じたのだろうが。
またある詩人の方より次のような読者葉書がとどいたとみずのわ氏が持参してくれた。
《……で古い詩人が亡くなり、古書がたくさん古書店へ流れました。東京でも手にできぬと思われる詩集がいっぱい。本屋のかみさんが、埃をぬぐっていました》
この方は同じように同郷の先輩詩人より尾形亀之助の『色ガラスの街』を譲り受け所蔵しておられると聞いたことがあるが、またしても稀覯詩集を入手されたのだろうか。
稀覯詩集といえば、今年の明治古典会七夕市に杉浦明平旧蔵の品物が出るそうで、その中に立原道造の詩集『曉と夕べの詩』A版(著者旧蔵、手彩色カット)があるらしい。『日本古書通信』947号の「古本屋の手帖」にそう書いてあった。ちなみに同誌には「京都の出版社(戦前編)」という拙文も掲載されているので、ご一読のほどを。