この栞は勧業館での一冊『SOCIÉTÉ DES ARTISTES INDÉPENDANTS 36e exposition catalogue 1925』(独立美術家協会第36回展目録、パリのパレ・ド・ボアで一九二五年三月二一日から五月三日まで開催された)に挟まっていた。香水メーカー
Parfum de Rosineの広告であろうか。現在の社主マリ=エレヌ・ロジョンの曾祖父はナポレオン三世のためにオーデコロンを調合したという調香師(パルフュムール)だったそうな。ボルジアという銘柄はルクレツィア・ボルジアからきているのだろうが、真っ黒で毒みたいだ。毒(プワゾン)という香水もありました。
一九二五年と言えば、佐伯祐三がパリに滞在していた。彼はサロン・ドートンヌに出品しているので、まさか出てはいないだろうと思ったけれど、念のため S の頁を探して見た。佐伯の名前はなかった。しかしこういう記載を見つけた。
SAKATA(Kazuo), né à Okayama.ーJaponais.ー 15, rue Hégésippe-Moreau
3030 Etude.
3031 Etude.
坂田一男の出品記録である。「習作(エチュード)」二点。岡山生れと書いてあるのが、面白い。もっとじっくり見て行けば他にも日本人の名があるような気がする。rue Hégésippe-Moreau はパリ18区、モンマルトル墓地のすぐ近く。メトロ最寄駅は「ラ・フーシュ」。