近所の桜。もうかなり開花している。『彷書月刊』4月号、特集「大正十年書生生活 岡本一平『人の一生』を読む」。まずは扉野良人「大衆の読書 民衆の読書」を読む。子供が学校へ行くのは当たり前だったという鶴見俊輔さんの発言から、加能作次郎の小説「世の中へ」で丁稚時代の主人公が本を読ませてもらえなかった話へと進む。扉野氏は「学校へ行かないのがわりあい普通の状態」という世界が近代日本にも当たり前にあったことを「世の中へ」が教えてくれるとし、
《海に囲まれた能登の一漁師であったことが、なにより近代の大衆をしのぐ近代以前の民衆まで、文学者加能作次郎の筆を届かせていたのではないだろうか。》
と結んでいる。ただ《近代以前の民衆》が「学校へ行かない人々」かどうかは分からない。明治時代の初等教育はけっこう普及してたからね。
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「佐野繁次郎素描展」の案内状を某氏より頂戴した。ギャラリー プチ フォルム(当時の住所=大阪市東区伏見町)で開催されたもの。惜しくも年度が不明。「PARIS COMMENT ALLEZ-VOUS ?」と副題がある。年譜によれば、佐野は一九八二年にパリに出かけたので、その後あたりではないだろうか。深謝です。