高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』(講談社、一九八二年、装幀=曲山賢治)をブックオフで見つけたので「月の湯古本まつり」に出しましょう。初版はわりとめずらしいようだ。それにしても
日記が有料だとは。
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中尾さんより『CABIN』10号届く。今回も読み応えあり。山田稔「前田純敬、後始末」が力作。中尾さんの「不遇のままに」にもグッときた。晩年の作次郎は、小説が書けなくて苦しみ、ようやく書けそうな気になったところで死んでしまう。その他、それぞれ粒ぞろいのエッセイばかり。ただ、この個人雑誌、一般には入手困難なので、紹介のしがいがない。もう少し多めに刷ればいいと思うのだが。
山田 稔……前田純敬、後始末
鳥羽耕治……『新日本文学』の富士正晴
河内 紀……魯庵と弦斎とー「実用」についてのノート
扉野良人……画の手帖(カイエ)
樽見 博……気になる人
坂本秀童子……ガリ版片片記
斎田昭吉……昔の話2
加納政治……木枯しの日まで
米田義一……神戸の戦後雑誌『ペン』細目抄 第四号まで
松本八郎……加能作次郎ファン
中尾 務……不遇のままに
表紙……北沢街子
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『scripta』7号も届いた。内堀さんの連載「本棚の予感」第十一回は銀座六丁目にあった警醒社書店を中心に。その建物が昭和五年に紀伊國屋書店へと替わる(現在は松坂屋の一角)。追悼集『福永一良』(一九三〇年)と『警醒社書店・福永書店・文化生活研究会 図書目録』(一九二四年)が資料となっている。後者はその建物に入居していた三つの会社、といっても福永文之助、一良、重勝の親子がそれぞれ経営していたのだが、その合同目録。上は松崎天民『銀座』(中公文庫、一九九二年)に載っている広告。今回、驚いたのは厚生閣書店の岡本正一が警醒社で働いていたという事実である。警醒社は創元社とつながるし、出版社の相関図というのは興味が尽きない。