『コルボウ詩集1952』(コルボウ詩話会、一九五二年、装幀=佐々木邦彦)。厚表紙だが、ジャケットがあったのかどうか? スマートというのとはちょっと違うが、なんとも言えないシャレた感じがいい。「コルボウ詩話会」は一九四九年五月に天野忠、田中克己、城小碓(本家勇)、天野隆一らが創設した。一九六〇年まで続き、毎月小さなテキストを作った。テキスト『コルボウ』は二十四年八月に創刊され、山前実治が経営する印刷会社双林プリント内の文童社から発行された。テキスト全三十六集、『コルボウ詩集』全十集になった。「コルボウ詩話会」から別れて『骨』そして『RAVINE』などの詩誌が生まれた。以下は本書より天野忠の「詩人の家」全文。後年の天野とは少し違った響きがある。
白蟻が虫歯のように柱をボロボロに喰つてしまつた
俺はつっけんどんなふりをして
冷たい陽がたまつているところに立つている
俺の立つている湿つたところから
子供が探していたおもちやのきれつぱしが見える
鳴らないままで壊してしまつたおもちやの笛が
俺の頭の中でいまは
奇妙に純粋なひびきをふるわすではないか
うじようじようじようじようじよ
のつぴきならぬ陰険な奴が無数に生れてきて
おもちやの笛のひびきと
まざり合つてしずかにざわめいている
俺は実にさびしいんだ
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『雲のうえ』6号(
北九州にぎわいづくり懇話会、二〇〇八年一月)。静かに話題の雑誌、北九州市企画政策室が作っているが、これみよがしのPRのない、ゆったりとしたグラフ雑誌になっている。牧野伊三夫、久家靖秀を中心にうまくまとまっている。
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アラン・ロブ・グリエが
死去した。アラン・レネの「去年マリエンバードで L'Année dernière à Marienbad 」(1961)しか知らないが。