明治時代の英語の話題を引き継いで「英吉利単語篇」と題された手製のノートを紹介する。かなり前に均一台で買った。《箕輪氏蔵書》とあって、何故か普通切手2銭が貼られている。この切手は明治十六年(一八八三)に登場した。さて、これをどう考えるか……。内容は見てのとおり英語綴りのない発音だけの単語帳(耳から聴いた英語表記)、ということは会話が目的だったのだろう。英語カタカナが左から、日本語が右から左へ書かれているのも面白い。
ギルル 女少
フアーゾル 父
モゾル 母
第一ページの最初の単語は part first で発音三種記入(たしかに発音が難しい)。第一篇はベンチやペンなど学業に関係のある単語ばかり。
パート フヲルスト 第一篇
ホルスド
ホイルスト
第二篇が天体・気象・地理、第三篇が船舶・軍事、カレンダー、人称など、合計およそ330の単語が収められている。昨日紹介した中島先生の論考によれば、漱石の時代にはすべての普通学は英語で講義され、日本人の教師が英語で教え、答案も英語で書いたこともあったとも言う。その漱石が大学予備門(後の一高)入試に必須の英語を学ぶため神田駿河台の英学塾「成立学舎」に入ったのが奇しくも明治十六年である。だから上の単語帳はもっと以前のぶっつけ本番時代のものなのではないかと推測できるような気もする。
Y氏のご教示によって、これは『英吉利単語篇』(慶応二,1866年、開成所刊)にもとづく関連書を抜き書き筆写したものであるらしいことが判明しました。御礼申し上げます。参照サイトは下記。
茨城大学人文学部・お宝紹介
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エキサイトブログのリンク欄にある奈良の智林堂書店より古書目録4号が届いた。失礼ながら、予想していたよりもずっとすばらしい目録だった。奈良関係から始まって、網羅的な総合目録の陣立てになっている(52ページながら濃い内容)。「近現代俳句」「近現代短歌」というカテゴリーもある。美術関係書もいい。値段は控えめ。注文は来店か郵便のみ……来店した人の勝ちですなあ。