フィリップ・ソレルス『女たち』(鈴木創士訳、河出文庫、二〇〇七年、カバーデザイン=ヴュッター公園、写真=
田村尚子)新刊が届く。河出文庫もほんとに威勢がいい。
表紙写真の田村尚子は同志社出身で一九九八年頃から発表を開始しているようだ。最近、人文系のブックカバーにも多く作品を提供している。正面から対象に向き合わない感じがニクイ。ヴュッター公園はユニットかペンネームか? 同じく河出文庫の『黒いユーモア選集』(二〇〇七年)で田村とコンビを組んでいるが、それ以上の情報は今のところ出て来ないようだ。
フィリップ・ソレルスは一九六〇年から雑誌『テル・ケル』の創刊メンバーの一人として活躍した作家、評論家である。一九六七年にはジュリア・クリステヴァと結婚している。ラカン、アルチュセール、バルトとといった人々と友人で、それらのフランス思想界を舞台にしてセリーヌふうな饒舌で赤裸々につづったのがこの『女たち』ということになりそうだ(まだ読んでませんけど)。
世界は女たちのものである。
つまりは死に属している。
それについては、誰もが嘘をついている。
"Le monde appartient aux femmes. C'est-à-dire à la mort. Là-dessus tout le monde ment".
翻訳はもうほとんど鈴木氏そのものと言ってもいいようだ。ソレルスが憑衣したのか鈴木氏がソレルスになったのか、とにかくソレルス鈴木である。今年はこの二冊で暮れて行く。