土居徹編纂『訴訟提綱 戸婚之部 雑纂之部』。ボーボーの付箋に圧倒されて購入、100円。この巻には刊記がないが、大阪の鹿田静七から明治八年に七冊で刊行されている。和綴木版刷、上手な彫師を使っているためか、文字はじつにスッキリ。
小学生に辞書の厚味が倍くらいになるほど付箋をつけさせる勉強法をTVで見たが、そんなに効果があるのだろうか。深谷圭助・立命館小学校教頭の著書『
7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』(すばる舎、二〇〇六年)が火種のようだ(?)。たしかに辞書を引くのは楽しいことではあるが、子供のやわらかい頭を辞書の項目で満タンにするのもちょっとさびしい。
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五車堂・久保田厚生さんが寄稿している『ふぐるまブレティン』81号(文庫の会、一九九一年五月一日)をある方より頂戴した(久保田さんについては拙著『古本屋を怒らせる方法』に一文があるのでお読みいただきたい)。「過去・現在・未来ー目録の時代をむかえてー」と題して反町茂雄と古書の目録販売について考察しておられる。反町は『ふぐるまブレティン』創刊号(一九七五年六月)にこう書いているという。
《古書業界で一流の店となるには、目録の発行が殆ど不可欠の条件であることは、私たちが東京・京都・名古屋・九州・北海道等の各地を見学して得た結論であります。さらに欧州や北アメリカの大都市の業界を一巡して見聞しました所もこの事実をそのままに裏書しました》
そして目録編集の技術を磨く練習のために『ふぐるまブレティン』を創刊したのだ、と宣言しているという。その後、この成果は郷土史という分野に明確に表れたそうだ。《郷土史という視点はそれまでの専門という枠をはみだしてなんでもとりこみます。一冊の書物を、ある人は初版本として見、ある人は郷土の生んだ作家の作品として見るという新しい複数の視点で本の取り合いがはじまりました》。その結果、競争が激化して業界が活性化したという。そしてこう結ばれている。
《掘出し物でもうけようとさえしなければ、いいものは高い。しかしいいものという評価がどこまで出来るかは人さまざまなのです。そこに勉強する理由があり正当な競争の原理があるのであって、ここしばらくは競争のなかで強くなるしかさなそうです》
反町チルドレンが業界を動かした時代があったということか(過去形にしていいんでしょうね?)。
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昨日、車を使おうと思ったら、エンジンがかからない。急に冷え込んだせいかな、と思いつつJAFに電話した。たまたま近くにいたらしく十五分ほどで到着。やはりバッテリーが極端に弱っていた。三年目だと交換時期ですねと言われる。電池なければただの大きな箱。取り替えてもらうことに。9800円也。数ヶ月前までは8000円ほどだったそうだが、鉛の高騰で値上げしたらしい。ため息。
同日、この冬初めて灯油を買う。通りかかった販売トラックを呼び止める。18リットル、なんと1600円。びっくりである。キビシー冬がやってくる。