ある本を探して、引越以来、封印したままのダンボール箱をつぎつぎ開けていると、半端な版画百人一首が二十枚ほど出てきた。きれいな札は売ってしまって、ひどく傷んでいるものばかりが残っている。以前紹介したフランスのカルタと雰囲気が似ているのもおもしろい。
上左 後京極摂政太政大臣
きりきりすなくやしもよのさむしろに
上右 式子内親王
玉のをよたえなハたえねながらへは
下左 藤原基俊
契りおきしさせもがつゆを命にて
下右 前大僧正慈円
おほけなくうきよの民におほふかな
もちろんこの文字は読めないので『日本のかるた』(保育社カラーブックス、一九七三年)を参照した。読み下しは上の札の表記に従った。『日本のかるた』には、道勝法親王(1620年歿)筆と伝わる現存最古の百人一首カルタ(滴翠美術館蔵)の読み札がすべてカラーで収録されている。これはすばらしい。上の版画も基本的には道勝法親王百人一首カルタを下敷きにしたものと思う。江戸後期(?)だろうか。
ちなみに明治二十年代から行われていた競技かるた会に統一ルールを設定してまとめたのは『萬朝報』の黒岩涙香だという。明治三十七年に「東京かるた会」を結成し、日本橋常磐木倶楽部において第1回のかるた大会を開催した。
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寺町の
スマート珈琲店でランチしながら打ち合わせ。これまた一冊本を作ろうという相談。上の写真は天性寺の北側、すなわちスマート珈琲店の向い山本額縁店の角を路地に入ったところ、の土塀。補修の跡がゲージュツ的である。まるで
ポリアコフみたい。