ルナール『にんじん』(岸田国士訳、白水社、一九五九年)。フェリックス・ヴァロットン(
Felix Edouard Vallotton,1865-1925)の挿絵が気に入って百万遍の100円均一で裸本を買った。
父母と姉とにんじん。他に兄と女中と子犬がいる。うさぎとしゃこを飼っている。なおしゃこは蝦蛄ではなくて鷓鴣(les perdrix、ヨーロッパやまうずら)。
老女中のオノリーヌが失敗をやらかして(目がうすくなっていたのだ)クビになる。その代わりにオノリーヌの孫が雇われる。
猫を殺すシーンは痛ましい。
子供のいない老人がにんじんの名付け親になっている。ときどき老人の家へ泊まりに行く。夜、カンテラを提げてすももを取る二人。