井伏鱒二『侘助』(鎌倉文庫、一九四六年、装幀=川上澄生)。井伏が昭和二十一年の初めに書いた三つの作品を収めたもの。「侘助」は《創元社のクオタリイに送つたが、発刊が延びたので返してもらつて「改造」と「人間」に分載した》と「後記」にある。《創元社のクオタリイ》というのは小林秀雄編集の『創元』だろう(創刊号は一九四六年十二月刊行)。川上澄生の木版画が表紙(背、表4にも)と扉に使われている。愛らしい一冊。奥見返しの下部が破り取られている(名前でも書いていたか)ため格安だった。ま、元々そんなに高い本ではないが。
午前中に塩山御大の『東京の暴れん坊』の装幀を終えてCD-Rに焼く。一仕事終えたので、発送を妻に頼んでおいてちょっと町中へ。湯川書房で湯川さんの顔を見る。車谷長吉特別展(姫路文学館、10月12日〜11月25日)のチラシをもらう。二三古本屋を冷やかし(京阪書房でちょっとした収穫あり)、ギャラリー・マロニエで今日から始まった森岡和世さんの銅版画個展をのぞく。しょうが紅茶という不思議な飲み物をふるまわれた。
帰宅すると『石神井書林古書目録』73号と『書架』80号が同時に届いていた。二冊同時だとそのボリュームに気圧される。まずは図版だけさっと見る。石神井さんには尾形亀之助の手紙、『書架』には松本竣介の手紙が出ていて「おおお」と思う。
『spin』の執筆者全員サイン本も届いた。(書肆アクセス、東京堂書店、海文堂書店には出ていると思いますので、ぜひお求めください)
秋の日を負ひてはわれも背ヤケアリ