『創元』169号(創元社、一九四二年十二月、装幀=青山二郎)。創元社のPR雑誌。以前にも紹介したが、某氏より書庫整理ということで頂戴した。《この「創元」は本月号を以て廃刊します。/昭和十八年一月から日本出版文化協会に於て「読書並に出版に関する月報」が発行されますので、現在各社が発行してゐる月報類は総て右の中に吸収される形で廃刊されるのであります》ということで終刊号。
戦後は再開継続されることなく、と思っていたところ、某氏より『創元月報』が昭和二十三年から刊行され、二十六年頃から『創元』となってしばらく続いていたとご教示いただいた(カナブンに所蔵あり)。認識および調査不足でした。昭和二十四年には小林秀雄編集による本格的な文芸誌『創元』が創刊されたが、一輯と二輯が出ただけで終わったようだ。
記事のなかでは北極星の「創元社棋士列伝」に注目した。
《毎週木曜日の例会に八段金子金五郎先生、並びに山川次彦三段の御出講を煩はす様になつて、漸く縁台将棋の域を脱して来た。社外からは鈴木信太郎先生、河盛好蔵先生、佐藤正彰先生などの御熱心な御出席があり、会も順調な進展を続けてゐる》
「阿佐ヶ谷将棋会」にも共通する名前が出ているが、この時期、編集者や文士たちの間にはそうとうな将棋熱が発生していたようだ。下は青山二郎による目次頁の装飾文字。
やっと『中央公論』十月号を入手した。特集・古本生活入門。
・古本屋を十倍楽しむ方法 岡崎武志
・一日古書散歩 東京編 池内紀
・一日古書散歩 京都編 山本善行
・人生が詰まっているから面白い 対談 北尾トロ × 樽見博
岡崎さん! 『古本屋を怒らせる方法』にわざわざ言及してくれて感謝です。古本ソムリエの京都案内も新旧うまく取り混ぜていて感心させられた。
昨日の「情熱大陸」は大竹伸朗の巻だった。
以前も書いたが、武蔵美入学時は同じクラスだった。大学の名前が省略されていて、オンドリャー、という感じだった。美術館の作品より美術館の便所の落書きの方が良いこともあると本人が言った直後に、坂本龍一や村上隆が大竹を評価する言葉を文字で入れていたが、大竹氏の発言と真逆じゃないの、それって。「はやし」という呑み屋の看板を欲しがって交渉しているところで終わりというのは悪くなかった。
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腰丈の栗の実の棘緑増す