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空しい祈祷

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「故六隅許六」装幀本を頂戴した。上の図は渡邊一夫『空しい祈祷』(学徒援護会、一九四九年再)の扉である。この初版は一九四六年十月十日に勤労学徒援護会からやはり「故六隅許六」装幀として出ているが、そのときには上図が表紙になっていた。上の本の表紙は渡邊一夫の装幀にアップしていある。

これら二冊は発行元の名前が微妙に違う。住所は麹町の代官町一番地で同じだが、代表者が安藤円秀から近藤英夫に変わっている。「正義と微笑」の永晃社もそうだが、敗戦直後にはこういった入れ替わりがはげしかったようだ。

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もう一種類「故六隅許六」の装幀で『襍志』1号2号(同学社、一九四六年五月一日、六月一日)も某氏より頂戴した。1号には日夏耿之介が幼少期の思い出をつづった「姫城月次抄(一)」が載っている。

÷

地蔵盆を避けて、調べものに岡崎公園の図書館まで。ついでに近代美術館で「没後10年・麻田浩展」を見る。時代の流行というものの強さを感じる。装幀本(表紙に作品を使ったもの)の展示に新味があった。

同時開催の「文承根+八木正 1973-83の仕事」もやはり時代を見る思いがするが、三十五歳と二十七歳という若さで没し、無名のまま放置されていただけに、その作品に漂う純粋さが気持ちいい。こいう作家たちを掘り下げることに美術館の意義がある。三人ともに京都にゆかりの物故作家。お盆にちなんだか。

ついでに四条の大丸で「ありがとう! チョーさん 長新太展ナノヨ」を見る。これは良かった。東京日日新聞時代のスクラップから晩年の作品まで、長新太の世界をゆっくり楽しめた。天才だ。麻田浩展でもそうだったが、ここでもアトリエの写真を引き延ばして、その前に作家が使っていた道具などを並べるという展示があった。チョーさんの道具の横に重ねてあったCDは上から順にハービー・ハンコック、デイブ・ブルーベック、ギル・エヴァンスなどだった。絵柄に似合っているように思う。

指折れどみそちに満たぬ遠花火
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by sumus_co | 2007-08-19 19:04 | 渡邊一夫の本
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