Mさんより本のイメージが送られて来た。マリネッツィ『未来派の三幕物電気人形』(神原泰訳、下出書店、一九二二年)。14日に紹介したときにはそのままスルーしてしまった。しかし実はこれが驚くべき掘り出し物だったのだ。評価のたしかさにはいつも敬服させられる某書店ではウン十万円の値が付いている。それが500円とは……。ゴッドハンドのタイトルはMさんのものです!
そして本日のMさんメール。
《打ち止めのはずが、日本全国酷暑の日に下鴨へ。来年まで行けないと思うと我慢できません。皆勤賞の山本さんに遭遇。百円均一では「結婚の饗宴」式場隆三郎コバルト叢書青児装。中井書房の百円から「生きゆく道」天野貞祐細川新書、「日本昆虫記」大町文衛朝日文化手帖4の2冊。赤尾の百円では、研究社英米文学評伝叢書の復刻版を2冊「ラム」と「ヂョンスン」。とある女子短大の図書館の流れ本で読まれた形跡なし。これは読めればいいのでゴム印などは気にしない。最後にS洞の1冊200円で「レコードの選み方と聴き方」服部龍太郎大正13年アルス函を[下の写真]。恩地孝四郎装でなんとウン千円の値札つきでした。帰りに三月書房で棚に「京都画壇周辺」を確認し、黒猫さんで本を見せてもらいました。今年の夏休みは下鴨三昧でした。》
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ナンダロウアヤシゲな日々の16日に『古本屋を怒らせる方法』に登場する太宰治「正義と微笑」についての興味ある指摘あり。確認してみると、といっても現物は所持しないので全集の書誌の記述を見直しただけだが、「青春文庫3」も、永晃社の住所「中央区入船町二ノ三」も小生の写し間違いではない。ただし発行者は永井直保ではなく「杉村一嘉」(『古本屋を怒らせる方法』では省いた)。よって、おおよそ昭和二十二年十一月と二十三年三月の間に永晃社の機構改変があったと見るのが自然だろう。
もう一点、「眼の引越」の項で青山二郎のこの本が初版五百部で売れ残ったと白洲正子の記述をそのまま引用しておいたのだが、某氏より『眼の引越』(創元社、一九五二年)は三冊持っておられて、そのうちの一冊は再版だというご指摘をいただいた。再版があるというのは知らなかった。「日本の古本屋」には現在四冊出ているが、すべて初版で10,000(カバーヤケ)〜28,350(帯付き美本)。
古本の世界は広くて深い。知らないことばかり。
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朝は絵の仕事。本日のBGMはU2の「ヨシュア・トゥリー」(POLYSTAR, 1987)。傑作。午後は書きあぐねていた原稿をとりあえずまとめてしまう。
水打つてジンジヤエゝル瓶太し