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RIMBAUD
書肆アクセスの閉店が決定した。先日、思わせぶりに書いたショックなこととはこれである。すでに公になったようなので、発表するが、「どうして?」という気持ちでいっぱいだ。赤字だから……そんな理由で何でも片付け、切り捨てていいのだろうか。地方小のスタートの理念はそんな合理主義一点張りだったのか。今の世の中、こう言う人はいないのかい。
「お金もうけしなくて悪いですか?」 『sumus』創刊以来、ほんとうにお世話になっただけに、なんとか今からでも考え直してほしい。第5回書肆アクセスフェア「荻原魚雷が選んだ書肆アクセスの20冊」7月31日まで開催中!! お近くの方はぜひ買い占めに走っていただきたい。 今日は不在者投票(期日前投票)に出かけた。まったくひどいもんだ! ÷ うれしいことひとつ。すでにこれもあちこちで宣伝されているが、『「阿佐ヶ谷会」文学アルバム』(青柳いづみこ・川本三郎監修)の出版である。 2007年8月上旬刊行予定 ISBN978-4-901998-25-3 A5判・上製・356ページ(写真12ページ) 発行=幻戯書房 定価=3800円+税 装幀=間村俊一 印刷・製本=精興社 《戦前から戦後にかけて、中央線の阿佐ヶ谷で、作家や評論家、文学研究者、編集者らが集まる団体があった。「阿佐ヶ谷会」といわれるこの集まりには、井伏鱒二をはじめ、上林暁、木山捷平、太宰治、青柳瑞穂、外村繁らが参加し、ときに文学談議を行い、ときに将棋や酒を楽しんだ。 文学史・文壇史に足跡を残す「阿佐ヶ谷会」の唯一の資料集であり、中央線沿線に集った文学者たちの交流を生き生きと描き出した本である。》 かつて『ARE』10号に「文士の将棋熱」を書いた時に、あるていど阿佐ヶ谷将棋会関連の資料は読んだのだが、ここには未見の文章も多く採録されているらしいので、たいへん楽しみにしている。 ÷ ![]() ![]() 『coto』の最新号が届いた(下欄目次参照)。小生も「わたしの家ではないけれど」と題して家探しの顛末を発表しているのでご一読を。 他の人の記事もざっと読んだが、築山登美夫氏の「白人の上陸ーあるランボー論」が面白かった。小林秀雄のランボー論を素晴らしいとしながら、ある一カ所に難癖をつけるところから始まる。 《しかし、小林はこう書くーー「ランボオの名が、世に初めて紹介されたのは、一八八四年、ヴェルレエヌの『呪はれた詩人達』によつてである。この年ランボオは、アデンにゐて、アビシニヤの蛮族相手の商売に多忙であつた」(「地獄の季節」後記)》 小林が「蛮族」と書いている、その捉え方に築山氏は異議をとなえる。蛮族というのはヨーロッパ側からの判断である。幕末の日本を思い浮かべれば、われらもまた「蛮族」だったということになる。小林はそこを見過ごしている。あるいは当時、ひろくアジアに版図を広げつつあった大日本帝国にも共通する視点だったかもしれない。 ランボーは各地を放浪した後、紅海の港から港へと仕事を求めてうろついていた。一八八〇年八月、アラビア半島のアデンで商人に雇われ、十一月にエチオピアの内陸の町ハラル(Harar)へ送られた。珈琲、毛皮、ワックス、ゴム、象牙などを買い取ってヨーロッパへ輸出するのが彼の仕事で、商売は順調だったらしい。当時のハラルはエジプトに占領されていた。 長くなるので省略するが、外国とくにイタリアの干渉や皇帝と王との内部対立がからみあったエチオピアの状況のなかで、ランボーは武器をショア(Shoa)の王メネリクに売り渡すという大バクチを打つ。五百キロの道のりをキャラバン隊を組んで出かけ、安く買いたたかれながらも、なんとか金にはして、帰りには奴隷を紅海沿岸まで連れてくることに成功した。 ランボーが辿った道のりが現在アディス・アベバとディブチ間を結ぶ鉄道線路になっているというのだから、ランボーが生半可な商人ではなく、ある種、命知らずの冒険家だったということが分かる。結局、ランボーは商人として、あるいはハラルの外国人の世話人として快適に暮らし、現地の少女を教育して妻にしようとまでした(逃げられたようだが)。アラビア語もハラル語もペラペラだったという。 一八九一年に右膝が不調になりアデンの病院で悪性腫瘍と診断され、マルセイユへ送られてそこの病院で足を切断。妹イザベルにあててこんな手紙を書いている。この年の11月10日に歿。享年三十七。 《...Adieu mariage, adieu famille, adieu avenir ! Ma vie est passée, je ne suis qu'un tronçon immobile...》 さらば結婚、さらば家族、さらば未来、おれの人生は終わったよ、動かない輪切りになっちゃった。(拙訳) ところで、かつてもう二十数年前になるが、京都の堺町画廊でエチオピアの王族だという画家の展覧会を見た覚えがある。コプトふうの主題を残しながら、現代的にアレンジしたものだった。ご本人は京都に留学(?)していたが、むろん蛮族であるはずはなく、ノーブルな方だった。エチオピアは古いキリスト教国であることをそのとき知った。 Rimbaud In Harar Rimbaud.html
by sumus_co
| 2007-07-20 18:01
| 古書日録
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