橋爪節也氏編集の超マニヤックなミニコミ『新菜箸本撰(しんさいばしほんえらみ)』第四号が届いた。昨年末に紹介した第三号の特集「ほんや乙三洞」の追加資料を列挙した、じつに面白くも濃い内容だ。乙三洞もすごいが「オリベ洞芳名帳」というのがまたすごい。オリベ洞は塩野織人が浪速区日本橋四丁目で営んだ骨董店。乙三洞をはじめ、堀寅造、鶴丸梅太郎、山田伸吉、宇崎純一、藤田藤四郎、神崎清ら趣味人の名前がずらり。それをまた一人一人説明している橋爪氏もすごい。
乙三洞は達者な絵を描くとは思っていたが、玄人はだしである。間違いなく山内金三郎より上手だ。マンガではあるが、デッサンがしっかりしていて、洋風、和風、何でも来い、線にふらつきがない。下は乙三洞の玩具絵。わざわざ文字を裏返しに書いてある。
肥田晧三氏の「十二段家書房のこと、そのほか」も載っている。なんとも、その体験的な知識には驚くばかり。記憶力というか、さまざまな書店が肥田先生の脳裏にしっかりと刻み込まれている様子だ。乙三洞による難波の焼跡図も貴重な資料。波屋書房についても以下のように記されている。
《昭和二十年の戦災後、一面のミナミの焼跡の中で、かろうじて焼け残った戎橋筋岸田呉服店の一角を借りて波屋書店[ママ]の芝本参治さんがいち早く店を開いたことである。三月十四日の戦災で南海通の店を焼かれたあと、すぐにここで商売をはじめた。》《やがて南海通の元の場所にバラックの仮店舗が出来るまで頑張っておられた》
これで三〇〇円はお買い得。連絡は
心斎橋筋・中尾書店へ。
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本日はものすごい雨が降ったかと思うと晴れ間が出て、しばらくするとまた雨になる、といっためまぐるしい天気だった。『spin』02の版下が出来たのでみずのわ出版に渡した。校正刷を出してもらうので、実際の刊行は八月に入ってからになる予定。
ショッキングなニュースがあった。いずれ紹介するが、残念きわまりない。