昼食がてら外出。妻が西院のスーパーマーケット「ライフ」で買物をしている間にすぐ近くの古本屋をのぞく。高齢のご老人が店番をしている。息子さんがいるときもあるが、まだ老主人(おそらく九十歳ぐらい)が頑張っておられる。で、店はご覧の通り。この左手奥に文芸書などがやはり天井までびっしり。店内にいる間に大きな地震が来れば、本に埋まってしまうことうけあい。これ本望。今日は雨模様だったのため表の均一が開いていなかった。収穫なし。
しかし、心は晴れ晴れしていた。というのは某氏より、新生社の『女性』を二冊、転居祝いに頂戴していたからである。『女性』はいいゾ(佐野繁次郎資料としてアップしてあるのでカテゴリー欄よりご覧下さい)。またMさんにも、昨日、個展会場で以前から欲しかった本を頂戴した。これは後日アップする。
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季村敏夫ご夫妻発行の『なまず』22号が届く。「安水稔和氏に聞くー雑誌の記憶」という季村氏によるインタビューは読みどころたっぷり。昭和二十六、七年頃の神戸古本事情が驚くべきもの。
《三宮から元町通りを西へ次々と古本屋めぐりをした。神戸駅前には大きな古本屋(合資会社神戸駅前書店。多聞通二ノ三七、八千代劇場裏)があった。すると面白いほど詩集が手に入った。それも嘘のような値段で。戦後ね、詩人たちも蔵書を手放したんやとおもう。津村信夫の『愛する神の歌』『父のゐる庭』。福原清の『催眠歌』、笹澤美明『海市帖』、菱山修三の『豊年』、『望郷』も手に入った。いま、菱山修三、だれもあんまりいわへんでしょ。だけど私はこのひとにものすごい影響を受けた》
《それから田中冬二の『海の見える階段』を手に入れたんよ。丸山薫の『物象詩集』、安西冬衛の『座せる闘牛士』『大学の留守』、伊東静雄の『夏花』。竹中郁も三冊、『龍骨』『動物磁気』『象牙海岸』と次々入手し、モダニズムのかおり、エスプリ・ヌーボーのかがやきに触れふるえました》
今なら何万円クラスの詩集がゴロゴロしていたらしい。ま、そんなものだろう。なお『海の見える階段』は『海の見える石段』の誤植。
他の記事では大西隆志「エディション・カイエと阪本周三」連載の今後が楽しみだ。加納成治「静かな眼」は木内寛子さんの追悼文。今、静かに話題の『伊藤茂次詩集ないしょ』(外村彰編、
亀鳴屋、二〇〇七年)の広告もある。発行所は震災・まちのアーカイブ、神戸市長田区東尻池町1-11-4、tel.078-681-6231。