RICHARD ELLMANN『OSCAR WILDE』(Penguin Books, 1988)より
ワイト島でのオスカー・ワイルド。一八八五年夏、ということは三十一歳。まだ流行作家にはなっていない。
昨日、ひさびさにワイルドの伝記をめくっていてこの写真に目が止まった。甘ちゃんな顔しとるなあと思ってキャプションを見ると
the Isle of Wight と書いてあった。ああ、あのワイト島か、ヨットレースで有名なと思った。
するとなぜか突然、本日、中島氏よりヴァージニア・ウルフ『フレッシュウォーター』(中島俊郎訳、こびあん書房、一九九二年)を頂戴したのだが、なんとこの話はワイト島が舞台ではないか。けっこう面白かった。
説明すると長くなるけど、手短に述べれば、ワイト島に住むキャメロン夫妻、詩人のテニソン、画家のワッツとその若き妻エレン、エレンに恋する若者ジョンが主な登場人物で、ヴィクトリア朝の文化人のロマンチックな芸術至上主義をウルフがかなり辛辣にからかった戯曲である。キャメロン夫人(ウルフの大伯母)は写真家としても知られており、その撮影の様子もこっけいに描かれている。一九三五年に初演された。
「フレッシュウォーター」のテキストはホガース・プレスから一九七六年に刊行されたものだそうだ。ホガース・プレスはヴァージニア・ウルフの始めた出版社。「めぐりあう時間たち」(ダルドリー監督、2002)という退屈な映画でそのプレスの様子が再現されていたのを思い出す。一九一七年に創設してハンドプリントで出版をしていたが、三八年にバージニアが興味を失い(四一年に入水自殺)、レナード・ウルフとジョン・レンマンが四六年まで続けた(以後会社組織となる)。ブルームズベリー・グループの出版を手がけ精神分析関連書、ロシア作品の翻訳に特徴があったそうだ。ブルームズベリー・グループというのが、ワイト族を否定する新世代だということになる。ワッツの絵が好きだったワイルドはその中間だろうか。
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本日はゴミ収集日。地蔵さんの斜め向いにゴミの置き場所がある。朝八時前、小生がゴミを出した。午後二時過ぎにナベツマが仕事から戻ってきたとき「ゴミ、まだ来てないの?」と言った。「え?」と驚いて外を見ると朝のままだった。他の場所はきれいに片付いている。どうも忘れたようだ。電話すると、びっくりするぐらい素早く収集してくれた。