『作品』第三巻第六号(作品社、一九三二年六月一日、表紙=佐野繁次郎)。小林秀雄『テスト氏』の誌上出版記念会、梶井基次郎追悼補遺(中谷孝雄が三好達治、淀野隆三と連名で梶井全集の刊行を宣言している)、「スワン家の方へ」「若き日の芸術家の肖像」翻訳連載、布上芳介の小説「不遇な髭」など、興味がつきない号である。
椎の木社と江川書房の広告も掲載されている。前者はヴァレリイ『詩の本質』、三好達治『南窗集』、後者は『伊豆の踊子』『テスト氏との一夜』『聖家族』の案内。「読者通信」欄から前号の梶井基次郎追悼号についての感想文を引用する。
《新聞の片隅に小さく片づけられた梶井さんの死。私はすくなからず義憤を感じてそれをみた。その日は一日心重くくらした。それでも寝る前に「のんきな患者」を再読したら少し憂ひがはれた。/それから数日後。「作品」が追悼号を出すことを知り思はずよろこびの声をあげた。そして今日やつと「作品」を手にした。各氏の追悼文は一ツ一ツが胸をうつた。この「作品」は大切に残しておかう》(大連市真金町、島田幸二)
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壁を洩る緑あらたし家うつり
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