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古本暮らし![]() 古本暮らし 二〇〇七年五月五日初版 著者 荻原魚雷 発行者 株式会社晶文社 カヴァー・トビラ作品 林哲夫 ブックデザイン 間村俊一 間村さんから電話で「へんてこな絵ないかなあ?」と言われて送ったのがこのジャケットの作品。妻の里の高松市にある公園。樹木の向こう側は瀬戸内海である。発送した時点でも、魚雷氏の文体に合っているような気はしたのだが、こうして出来上がってみると、まさにぴったりだったと思う。古本の絵をもってこないところがさすが間村さん。 * 荻原魚雷氏の『古本暮らし』(晶文社、二〇〇七年)が届いた。見本なので、店頭に出回るのは連休明けかもしれない。読み始めるといきなりこんな箇所にぶつかった。 《ヤマト運輸でアルバイトをしていた友人と元ペリカン便のセールスドライバーの友人に手伝ってもらった。彼らは本の多い家の引っ越しがいちばんいやだといっていた。ダンボールにぎっしり詰めこんであったりすると、プロでも運ぶのがキツいそうだ》 ゴメンナサイと今から謝っておきます。それはそうと、魚雷氏は『sumus』同人のなかでももっともストイックな古本者であろう。岡崎、河上、山本、生田、松本(かつての)、吉川(幻の同人)各氏の蒐集癖はいずれ劣らぬレベルにあってオソルベキであり、扉野氏はかなり洗練されているような気もするが、お寺にはごっそり置いている。生田氏は絵葉書に乗り換えたので除くとして、おそらく小生の所蔵本数がいちばん少なかろう。 しかしそれよりもなおストイックなのが魚雷氏だ。スペースを決めておいて、そこからはみ出た本は次々処分するという。処分するような本は必要でない本だし、必要ならまた買えばいい。三回売って四回買った本もあるという。これぞ最善の蔵書維持方法という気がする。買って売るを繰り返すんだから古本屋と同じである。 その意味でもっとも異色な同人かもしれない。マイペースという言葉がぴったりである。しかしその懐は広い。いろんなポケットがあることがこの本からも分かる。まだ全部読み通していないのだが、「あとがき」の中川六平さんに「おまえ、編集の仕事やらないか。一緒におもしろい本つくろうぜ」と誘われて断るくだりはなるほどと思った。 《ありがたい話とはおもいつつ、まだ文筆生活に未練があったので、丁重にお断りした》 魚雷氏のピンと筋の通った文章はこの覚悟に裏打ちされていたのだ。実は魚雷氏に初めて会ったころから言い続けているのだが、小説を書きなさい、小説(書いていたらしいのだけど)。絶対いいのができるような気がするけどなあ。この本、(荻原流に)もったいないからゆっくり読ませてもらいます。いい本できたね。 ÷ 喜多村拓『古本屋開業入門』(燃焼社、二〇〇七年)。高橋輝次氏の編輯になる古本シリーズものを出していた燃焼社から久々の古本本。古本屋開業のノウハウを事細かに説明してくれている。平成の古本屋の記録として後の世に珍重されるかもしれない。÷ 仲村渠芳江(なかんだかりよしえ)『バンドルの卵』(詩遊社、二〇〇七年、装幀=高橋善丸、写真=今泉真也)。沖縄そのものであり、沖縄を越えた何ものかであるような詩集である。÷ ・だん袋 → どんぶり → どんぶり勘定 ・poo 犬の糞 ・G-men Government men ・T-men Tax men ・キサス 多分 ・大調和 マクロコスモス ・24 pupils 24の瞳(24人の生徒でもある) ・プレクトラム plectrum ばち(楽器の) ・ノリ 謡で平ノリ(七五調)、中ノリ(八八調)、大ノリ(四四調) ・ファンキー funky 臭い ・ワイキキ 透明な海
by sumus_co
| 2007-04-27 21:26
| 装幀=林哲夫
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