4月5、6日と取り上げた『THE NEW ENGLISH PRIMERS BOOK 1』の本文の挿絵の一枚。六十点近くの挿絵が入っている。『紙魚の手帳』24号(東京エディトリアルセンター、二〇〇四年一月)掲載の大貫伸樹「近代〈挿絵家たちの署名2〉」によればこの「Suzu」というサインの主は鈴木淳である。『赤い鳥』で活躍した。アルスの『日本児童文庫』の表紙や挿絵、
豊島与志雄『夢の卵』(赤い鳥社、一九二七年)などが検索でヒットする。
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4月7日のさくら井屋の封筒だが、写真に写っているなかで、かいち作と断定できるのものは約三分の一ていど。その他は作者不明。多くの画家たちがさくら井屋に関わっていたようである。今となってはかいち独特の画面処理や色彩が際立っているのがはっきり分かるが、ちょっと前までは、一群の傍系作家としてひとまとめに無視されていた。いわばフェルメール現象だ。
で、コメント欄に書いた某古本屋さんから貰ったかいち葉書はどうしたかというと、小生もとりたてて評価していたわけではなかったものの、とにかくその鮮烈さに感歎して、貴重葉書(絵柄が気に入ったり、呉れた人が有名だったりする葉書)のファイルにずっと保存しておいた。そして生田氏が絵葉書にのめり込み始め、五年前に日本絵葉書会を創立した頃、あっさり生田氏に寄贈した。
「へえ〜、使ってあるかいちもあるんですね」
というのが生田氏の感想だったのを覚えている。そのとき氏はすでにファイル一冊分くらいかいちを集めていた。スミカズも何十枚も持っていたし。あな恐ろしや。