


いつもの上京より少し早めに出て九時四十三分京都駅発のぞみ124号に乗り込む。予約した7号車の7D席だったが、先客が坐っているので、チケットを見せ合うと、その人は5Dだった。すでに完全にリラックス体勢だったため、荷物や上着や、飲み物からゴミクズまで、全部ふたつ後ろの席へと移動したのだが、ちょっと申訳なかった。
十二時に東京駅着。浜松町まで戻ってそこから美術倶楽部まで歩く。地図がいい加減だったためウロウロしてしまった。自分の展示ブースへ行く前に会場全体をひと回りしておく。鉄斎堂の富岡鉄斎展がもっとも見応えがあった。中川一政展のなかにごく初期のガラス瓶の静物画があり、これだけが良かった。黒田陶苑の加守田章二もかなかなかだ。岸本画廊の拙作展示の隣が弥生画廊の若林奮展で、若林先生には武蔵野美大の一年生のときに共通彫塑という授業で指導を受けた。カッコイイ先生だった。
岩田和彦さん見える。黒岩比佐子さんは神保町の帰り道(遠回りですが)に寄ってくださった。いろいろ収穫を拝見する。画集とか古い写真集や絵葉書などである。女性で黒岩女史ほどディープな古本者はさすがにまだそう多くはないだろう。つづいて青柳さん見える。装幀の打ち合わせを少々。やはり愛書会での収穫を。『上方』(創元社)一冊。二百円だったとか。なるほど。ちょっとムズムズしてきた。書肆アクセスで買ったという岡崎武志『読書の腕前』(光文社新書)の似顔絵入りサイン本を持っていて「いいでしょ、坪内さんにしました」と見せてくれる。