
[白山通沿いの古書店にこんな看板が]
午前十時にホテルを出て白山通り沿いに神保町へ向かう。西神田あたりの路地を気まぐれに曲がったりして写真を撮る。ガス工事を大々的にやっていた。日曜日なので大方の店は休み。岩波ブックセンター信山社の前で白水社のSさんと落ち合う。白水社まで歩いて二階の編集室で打ち合わせをする。当たり前ながら休日なので誰もいない。応接テーブルの横の本棚にはクセジュの元版がずらりと並んでいる。となりには新しい(黄色い表紙の)白水社版クセジュ。
構成について擦り合わせ。書き下ろしエッセイを一編追加することになる。刊行は、六月までの予定がすでに埋まっているため、七月以降、秋までの適当な時期になるそうだ。
Sさんと地下鉄で御成門へ。美術倶楽部の展示を見てもらって、二階の大広間で一緒に弁当を食べる。臨時の大食堂である。柿安のおにぎり弁当1050円。正面の床の間には奥村土牛(?)が掛かっていた。北側全面のガラス窓から和風の庭園が眺められて気持ちがいい。食後、S氏と別れる。
淀野隆三の次女の方とそのお嬢さんが見える。二階の茶室で抹茶をいただきながら淀野日記についてなどあれこれ。小生は無作法なのでがぶのみだったが、茶碗は、石黒宗麿、中川一政、ルーシー・リーなど。床の間には山口長男の三号ほどの油絵、これがよく合っていた。花はヨコハマ緋サクラと何とかいう椿、花生けは訊き忘れた。
桃色の櫻のありて茶三服

吉上夫妻が四角と丸の奇抜な眼鏡をかけて現れる。隠居中の長井さんも来合わせたので、二階で抹茶をふるまって(抹茶券をたくさんもらっていた)、ロビーの椅子で雑談。三方はみな東京生れなので、マンションのベランダでとんぼを育てる話など、おもしろおかしく。
コレクターのT夫人が見えて話しこんでいると、セラヴィさんが終了時間近くに現れる。フェアーに展示されていた若林奮の作品や三岸好太郎の珍しい小品静物の話、神田や飯田橋の古書店で書き入れ本と自筆原稿をすすめられて買う気になっているという話など。銀座まで三人で雑談しながら歩き、結局、四丁目の竹葉亭でうなぎ丼を食して別れる。