アンリ・カルチェ=ブレッソン『DER KLANG DER SEELE PORTRAITS』(SCHIRMER/MOSEL, 2006)。ドイツ語版。日本語版は岩波書店から刊行されている。パリで2006年に開催された「Le Silence interieur d'une victime consentante」という展覧会に基づくもののようだ。
ブレッソンの肖像写真ばかりを集めた作品集。主に文学芸術関係の有名人がずらりと並ぶ(シュールレアリストがけっこう多い)なかに庶民の姿も交えてある。マリリン・モンローの清純さに息をのむ。やや時代がかった感じはあるものの、頁をくっていると、みょうに写真が撮りたくなる。近頃はデジカメばかり使っているので、ずっと蔵入りしていた一眼レフを引っぱり出し、空のままカシャカシャといじってみたりした。
日本語版のタイトルは『ポートレイト内なる静寂』、そしてドイツ語版はちょっとひねって『ポートレイト魂の響き』となっている。原題はブレッソンのメモからきていているようで、メモの図版が掲載されているので拙訳を試みる。
《もし、肖像を制作するときに、同意した生贄の内面の静寂をとらえようと望むなら、カメラをそのシャツと皮膚の間に突っ込むことはとても難しい。鉛筆でデッサンしようとするときには、内面の静寂をもつのはデッサンする者の方である。18.1-1996》
う〜む、分かったような分からないような。晩年はデッサンに励んでいたブレッソンならではの見切りであろうか。
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本日は貸家一軒の内部を拝見して、夕方から、寺町のある店で装幀の打ち合わせをした。