林蘊蓄斎の文画な日々
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spin 01 創刊号 発売中

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『スピン』第一号が送られて来た。目次は以下の通り。表紙は間村氏の仕事机。

01  幻脚記 一 ジャコメッティ・ヴィジョンについて  鈴木創士
12  珈琲漫談 一 山猫軒にて  間村俊一 + 内堀弘 + 林 哲夫
26  エエジャナイカ 1 雨の十一月 北村知之
39  淀野隆三日記を読む 一  林 哲夫
73  みずのわ編集室 1  柳原一徳
96  編者贅言

◉編者贅言
 全く思いがけなくも淀野隆三の日記を読み通すという願ってもない機会を与えられた。しかも発表することを前提に活字(データ)化してよろしいという話である。ただ、日記は淀野隆三の生涯に渡るものであって、その分量も生半可ではない。どのような形で発表すれば良いだろうか……、あれこれ思案したあげく、新しい雑誌を創刊するのが一番良いだろうという結論に達した。そこでこのところ世話になりっぱなしのみずのわ出版に雑誌刊行について打診してみると、面白そうだからやってみましょうという快諾である。太っ腹なのか、ヤケクソなのか、いずれにせよ、こちらとしては大いに助かった。

 版元雑誌となれば、できるだけ多くの人に読んでもらえるものにしたい。そこでまずは敬愛する装幀家・間村俊一さんに登場していただこうと決めた。間村アトリエを訪問するについては、詩歌を主に扱う石神井書林の内堀弘さんを誘って詩人・間村俊一の側面を引き出そうと企てた。お二人はタイガースファンということでも共通している。たいへん愉快な半日となった。下の写真3点はいずれも間村アトリエにて。

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 鈴木創士さんとは某氏の出版記念会で初めてお会いした。中島らもの親友であり、気鋭の評論家、仏訳者である、というようなことは全く存じ上げなかったが、この人だというカンが働き、その場で原稿を依頼した。偶然か必然か、間村、内堀、鈴木各氏はいずれも一九五四年の生まれである。

 もっと若い人にも参加してもらいたいと思い、ブログなどで人気の北村くんに紙媒体デビューをお願いした。

 なお「スピン」は「しおり紐」という意味の出版用語である。[補注=ただし spin という綴りなのかどうかは保証のかぎりではない。少なくとも参照した英語辞典に「しおり紐」という語義は見当たらなかった]

◉取扱書店等の情報およびご注文は下記へ。
ISBN978-4-944173-47-1 C0095 ¥1000E
みずのわ出版 定価 本体1000円+税

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『spin』01感想集

÷

◉鼎談おもしろく読ませていただきました。[1月26日 中尾務]

◉帰りに神保町「書肆アクセス」へ。
 『spin 01』(みずのわ出版)
 『酒とつまみ』第九号(酒とつまみ社)
を購入。畠中店長がお店の人に「なにかやりたいこと(作業)あるぅ?すごく」と訊いていたのが妙におもしろい。
 『spin』では北村さんのエエジャナイカ(未公開分)が読める。いつか紙で読みたいと思っていたのだ(さっそく読む)。
[ 2007-01-27 02:00 退屈男と本と街]

◉「編者贅言」によれば「全く思いがけなくも淀野隆三の日記を読み通すという願ってもない機会を与えられた。しかも発表することを前提に活字(データ)化してよろしいという話である。ただ、日記は淀野隆三の生涯に渡るものであって、その分量も生半可ではない。どのような形で発表すれば良いだろうか……、あれこれ思案したあげく、新しい雑誌を創刊するのが一番良いだろうという結論に達した。」とある。「淀野隆三日記を読む」というタイトルから、「ウンチク」さんが「淀野隆三日記」をどう読んだかという内容を想像していたのだが、贅言通り「淀野隆三日記」を活字化したものだった。すなわち「読む」のは読者というわけ。それにしても、日記を活字化するために、雑誌を創刊してしまうというアイデアがすごい。分量が多いので致し方ないのだろうけれど、各段23字26行の3段組というのは、老眼が進んだ目にはちょっとつらい。眼鏡をはずさないと読めない。前半が大きめの活字で組んであり、後半「淀野隆三日記を読む」と「みずのわ編集室」が小活字で組まれているので余計そう感じるのかも知れない。「幻脚記」はあまり興味がわかず、「珈琲漫談」は談論風発で面白いが、書影がほしい。「エエジャナイカ」はほのぼのしていて面白く読めた。話題も天野忠、山田稔と敬愛する詩人、作家なので、若い人にもちゃんといいものが受け継がれてゆくのがわかってうれしい。「長田弘『私の二十世紀書店』で板倉鞆音がリンゲルナッツの詩を翻訳するようになったてん末が「無宿者」という詩とともに書かれている。」は貴重な情報。長田弘に対しては、スムース創刊号の三月書房の記事を読み、あまりいい感じを持っていなかったので、その著作は未読。今度読んでみよう。「淀野隆三日記を読む」はこれからのお楽しみ。「みずのわ編集室」を読み、思わずエールを送りたくなる。「spin」の発行が滞りなく続くことを祈るばかり。
[2007年01月28日 01:03 KYO]

◉まず、手にした感じがとてもすばらしい。中身もバランスよく配置され ている。文字の大きさにもうひと工夫されるとさらに読みやすくなるだろう。淀野隆三の日記、これは貴重なもの。このあと、大学時代のこと、梶井基次郎のこと、「青空」のこと、東京での生活、「詩・現実」のこと、高桐書院のこと、翻訳のこと、晩年の読書生活など、興味津々だ。これからも順調に出し続けてほしい。
 北村知之の「雨の十一月」も楽しく読めた。いい絵(林哲夫)を見て、いい本を買って(苦の世界)、読んで(我が感傷的アンソロジー)、いい人(山本善行)に会っている。北村くんは、印刷の仕事をしている佐々木さんのいつも黒い指を見るのが好きだという。こんな北村くんの連載も楽しみだ。
 いい雑誌を見れば、新しい雑誌を出したくなってくる。
[2007年01月29日 01:22 古本ソムリエ]

◉『spin』いただきました。
お礼が遅くなりすみませんでした。
淀野の日記は、思った以上に書き込まれたものと驚きました。
なんとも貴重な記録に出会ったものですね。
1900年前後に生まれた世代の(彼らが切り開いていったわけですから)
1920年代から30年代にかけての日常が記録されているのは
これは、すごいことです。
それがこうして読めるとは、なんと楽しみなことか。

北村さんという方の文章は、気持ちのいいものでした。
若い方のようですが、抑制がきいていて、
我々オジンより、活字を一回り大きくしてあげたのは
誠に賢明であったかと存じます。

版元日誌も読み終わるのがもったいないなと思いながら
楽しみました。

我らオジンの雑談は
特に私がべらべら、しょーもないことをしゃべっていて、
誠にお恥ずかしい。
こういうのを、抑制がきいてないというのか。
活字が小さくてよかった。などと思うばかりです。
[2007年1月29日 18:44 古書肆・石神井書林 内堀弘]

◉全96頁、B5、みずのわ出版より刊行。薄手の雑誌だが、表紙の紙がわりと硬いので、手にとって安心して読める。鈴木氏の文章頁も、ああ、よかった。大きめの印字である。わたしはもう、細かな文字が追えなくなっている。

 鈴木創士氏はジャコメッティ他の文章を引用しつつ、世界が静かに消滅して異質の世界が出現するかもしれない、その瞬間の気配や感触を、落着いた筆致で書き進める。
 声にならない悲鳴が聞こえる砂漠の浜辺のような、圧倒的なある異界の顕現。そこでは死者だけが生きることができる・・・。

 うっすらと凍てついた恐怖を感じさせられながらも、これは新たな枕頭の書となりそうな予感がある。連載に期待する。

[2007年01月27日 猫額洞の日々]

◉林哲夫さんから、みずのわ出版の雑誌『spin』創刊号が届く。読むところがたくさんあって(なんていう、アホみたいな感想ですみません)うれしい。いえ、昨年あたりから突如、生活の中に「文章を書く」ということが組み込まれたせいで、閉め切りが、そんなに近付いてもいないのに「書かなきゃ、書かなきゃ」とそればかりで、そういえば、あんまり「読んで」なかったなあと、ふと気が付いたのです。

エエジャナイカの北村知之さんの日記を読んで、年末に、横浜・一艸堂の石田さんから〈美穂ちゃん、小山清の『小さな町』(みすず書房)買いましたか? わたしはカミサンと思案中〉というハガキを頂いたのを思い出す。で、そのイキオイで昨夜は店を閉めてから郊外の大きな本屋さんまで、夜道を自転車こいで出掛けたのですが、あいにく目的の『小さな町』はありませんでした。やはり市内では無理でしたね。でも、インターネットで買うのも味気ないので、またどこかへ出掛けた時にでも探そうと思います。
装幀もすてき。[2007年01月29日 蟲日記 田中美穂]

◉北村和之くんの「雨の十一月」というのが、いい文章だったなあ。古本を求めて、町をほうぼうぶらつき歩くスタイルが、あの若さでもう身についている。ぼくが彼の年齢の時より、はるかに買う本も書く文章も優秀だ。
[2007年01月29日23:32 Q氏は中央線に乗って]

◉淀野隆三日記の翻刻、お大変なお仕事にて御苦労をお察し申し上げています。
淀野作品はほとんど知らぬままに過ぎていますが、つい先年吉井勇の随筆を見ていたら昭和二十年代の不自由な時期に吉井さんがお金の融通を淀野家に頼ったことを読み、伏見の幸福なお家であることを知りました。こんどの青年期の日記は余裕あるお家の御曹子らしい率直な気持の良い中味をとてもうれしく拝見しています。明治三十年代生れの作家芸術家を何故か好きですので、このたびの資料公開を大へん有難く、林様のお骨折りのお蔭で希有の機会に恵まれ幸せです。長くお続け下さる御苦労がお大変のことですが、遠い御完結の日を心まちにしています。[1月29日 肥田晧三]

◉いきなり北村さんのエッセイに「やなせくん」が登場して驚きました。
ぼくは生半可な赤ヘルですので、「先輩」なんて畏れ多いです。
北村さんの文章は、個人的にはブログ界でもっとも好きなもののひとつです。徳
のある文章だなあ、と思っています。[8 Feb 2007 14:29:43 柳瀬徹]

◉帰りの電車で、ようやく買えた『spin01』を開き、「エエジャナイカ1 雨の十一月」を読んでいると、なぜか田中小実昌さんの文章を思い出した。
[07-02-10(土) 日々のあわ.。o○ にとべさん]
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by sumus_co | 2007-01-31 20:53 | spin news
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