水原秋桜子『雪蘆抄』(石原求龍堂、一九四三年四刷、装幀=中川一政)扉。
雪袴つけたるひとの機始
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午前中は絵の仕事。午後から近所の貸家一軒のぞく。間口二間半(にけんはん)で京間(きょうま)らしかった。昨日の物件よりはややマシ。まあ、この近辺なら、案外と見つけやすいことは分かった。ちなみに現在のわが家はこういう家である。増改築はされているものの骨格は戦前の普請。かなり気に入っている。このレベルで探したいところだが……。
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正月に録画で見た映画。
「トラフィック」(スティーヴン・ソダーバーグ、2000)。メキシコと合衆国の麻薬のトラフィックを描いた作品。以前に触れた「21グラム」(2003)のベニチオ・デル・トロはたしかに目立っていた。マイケル・ダグラスがハレムで娘を探すあたりに無理があった。結末も弱い。
「ラストサムライ」(エドワード・ズウィック、2003)。日本映画では見られない明治時代を描き出したことは評価できる。ただし基本的な考証が不足しているというのか、黒沢、忍者、切腹というステレオタイプからどうしても離れられないようだ。とくにラスト、吉野の山に千年も住み着いている一族が地元であのような戦い方をするはずもない。勝元が祈るのは阿弥陀仏ではなく不動明王でしょう。
「約束 ラ・プロミッセ」(ドニ・バルディオ、1999)。フランス映画。体がまったく動かず物も言えない、しかし意識ははっきりしている老人(ミシェル・セロー)と、癌の少年が病院で交流する話。老人の悪態(心の声)に皮肉が利いていて笑える。展開は見え見えだとしても料理の仕方は悪くない。少年が老人のことを「ペペ・マリオ」(マリオじいちゃん)と呼んでいた(もちろんスーパー・マリオから)。
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Mさま
「青墓の処女」は入手しました。ただしハードカバーです。ヤフオクに出ているのはソフトカバーですね。作品社の本は同じタイトルでも造本が異なる例が多いようです。