平野義昌さんの『本屋の眼』(みずのわ出版、二〇〇六年)が届いた。最新の拙作装幀本。このところハデ目に行ってます。ゲラでも読んだが、改めて目を通すと、ギャグや韜晦の奥に、しっかりとした価値基準を持っている人だということがよく分かる。ただの飲んべえじゃない。
生まれも育ちも港町、コーベ。書き下ろしの自分史「神戸・本屋漂流記」は面白く興味が尽きない。少年時代の書店体験、大学卒業後に入社したコーベブックスでの修行時代(当時あの渡辺一考氏もコーベブックスで出版を担当していた)から化粧品販売へとコロんだ後に復帰した三宮ブックス、そして海文堂書店によるヘッドハント(?)、腕っこき書店員としての歩みがコンパクトに回想されている。この部分だけをもっと肉付けしても単行本化できそう。
書肆アクセス畠中さんの「解説」も愛にあふれている。
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虫歯の治療。詰め物を埋め込まれて終了。シューシュー、ひゅーひゅー、ビーンビーン、ギューン・・・・とああ緊張して肩が凝った。虎落笛(もがりぶえ)とは《冬の風が作り出す笛の如き叫びである》(『俳句歳時記 冬・新年』新潮文庫、一九八二年四十三刷)。
一汁一菜垣根が奏づ虎落笛 中村草田男