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鉄瓶のあられに触るゝ冬の雨
山崎書店へ。『改訂版京都洋画の黎明期』刊行記念の「黒田重太郎資料・京都洋画の黎明期展」を見るためと、鍋探求展の下調べのため。元版『京都洋画の黎明期』の原稿や訂正書込みのある黒田旧蔵本、また『夷猶掌記』と題された絵日記(昭和13年10月7日〜昭和30年7月25日)の展示がメインで、他に京都画壇関連の資料や画集、書籍類も並べられている。
山崎さんに芦屋の即売会について聞くと、予想以上の結果だったらしい。毎年続けていればもっと良くなるだろうとのこと。 ÷ そこから恵文社へ。山下陽子さんがいらしたので、鍋探求展のチラシを置かせてもらう。店長とも少し話す。来週あたりから古本市用の搬入を始めてもいいとのこと。扉野氏はなにやら名古屋方面へセドリ旅に行って来たらしい。収穫が楽しみだ。最終日にタイムサービスもいいかもと提案しておく。 ここでついに『美酒と革嚢』(河出書房新社、二〇〇六年)を購入。以前、原稿料代わりにもらった図書カードを使う。奥付をよく見れば装丁は間村俊一となっている。なるほどね! ついでだから書いておくが、小生は一貫して「装幀」しか使わない。原文通りのときだけ装丁、装釘、装訂などを用いる。理由を手短かに述べれば、「訂」は明らかに語義が異なっている、丁と釘はクギということなので針金綴本にだけ使用するべき(?)である、以上。 最近新たに拡張された店舗に足を踏み入れる。いや、クーネル調ですな、シックにオフ・ホワイトとブラウンでまとめられている。陳列商品も、女の子ぽいばかりじゃなく、おじさんでもつい欲しくなる品物が多い。例えば、南部鉄瓶などもあって、あの特徴的な表面のつぶつぶ模様が保温効果を高めていることを知った。アラレ模様と称するらしい。 ![]() 帰りがけ、レジ横にうわさの同人誌『Melbourne1』(「メルボルン1」、二〇〇六年十一月)を発見して購入。1500部のうち1308番。発行所住所がわが家の目と鼻の先だ。わりとよく行く新刊書店ブックパルのほん近く。印刷所のGRAPHはいつも個展のDMを頼むところ。 まあ、そんな奥付には親近感を覚えたのだが、内容についてはとりたてて書くこともない。そうそう、ひとつだけ。《昔から詩や短歌から小説にいく人は無数にいるけど、逆はひとりもいないでしょ》というのはどうか? ひとりもいないことはないだろうが、そう言い切るのがワンダーってものか。 ÷ 帰宅すると『scripta』2号(紀伊國屋書店、二〇〇七年一月)が届いていた。内堀さんの連載を読む。中では、一九三一年、北園克衛に『紀伊國屋月報』の編集を任せていた田辺茂一が北園のことをどう思っていたのかよく分からないというのが面白かった。 《新宿に田辺を訪ねると「(田辺は)いつも憂鬱な顔をして、二階の部屋にいたが、私はそこで簡単な話をして」それで終わってしまう。「いったい月報の編集が気にいっているのか、気にいらないのかさっぱりわからなかった」(「創業五十年記念誌」)》 と北園は書いているそうだ。しかし戦後、『紀伊國屋月報』が再び発行されることになると、田辺はやはり北園に編集を依頼した。といっても懇意ではないので仲介者を立てて頼んだのだ。内堀さんは『紀伊國屋月報』の後を承けて十返肇が編集した『レツエンゾ』を眺めながら田辺が北園を選んだ理由をそこはかとなく理解するのである。 『美酒と革嚢』を読み出したところ、似たような話が書いてあった。中原中也の昭和十二年の日記に出て来る野田誠三に関する記述だ。 《「ランボオ詩集第四校発送。(責任校了とす。)どんな本になることやら、俺は知らない。『永遠の中耳炎氏』即ち野田誠三がやることだ。俺は知らない。奴は校正刷を送る以外、何を問い合わせても一度の返事もしない。虫のいい奴!」と書かれている。》 編集者のなかにはときおりこのタイプの人がいるようだ。悪気はないと思うのだけど。 ![]() それにしても『Melbourne1』と『scripta』の表紙に見るマットな色の渋さというのはどうなんだろう。 ÷ Mさんより《「大丸のふる本市」目録に「探偵雑誌ぷろふいる」9冊が各3000円3500円で載っています》とのメールあり。安い。
by sumus_co
| 2006-12-12 23:13
| 京のお茶漬け
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