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色鳥や石の足観る全風景

ディープなインパクトがフランスから届いてもめている。競馬といえばディック・フランシス。ナベツマが少々ウンチクを垂れているのでご一読を。
NabeQuest

2006年10月18日(水)

さすがに体が重い。無料の朝食も控えめに。荷造りをして、本類は宅急便としてフロントに預けた。九時過ぎ、丸ノ内線から東西線と乗り継いで木場まで。東京都現代美術館で開催中の「大竹伸朗全景」(〜12月24日)を見るため。木場駅からだと歩いて二十分ぐらいかかる。やっとたどりつくと、開館五分前だった。正面のベンチで一服しようと思って、おや? なんと大阪の国際美術館のSさんだ。

Sさんとは二十年以上の付き合いになる。京都の射手座という画廊でたまたま会話したことがきっかけだった。当時は富山の美術館に務めておられた。高見堅志郎先生に教わったというのも共通していたし、人柄も良く、センスもあって(奥さんも美人だし)、小生のようなベタな具象絵画とは異なる、瀧口修造や現代美術が専門ではあるものの、その後もずっと、お付き合いをさせてもらっている。

色鳥や石の足観る全風景_b0081843_11482659.jpg


東京都現代美術館がいつの間にか宇和島駅に変わっている。もちろんこれも大竹氏の作品。

展示は全フロアーを使った大回顧展。最初の展示室に入ると、まずはあのコラージュの書物シリーズがずらりと並んでいてかなりな壮観である。次に子供時代のお絵描きが。鉄腕アトムや鉄人28号の登場人物を描いた「作品」がずらりと並ぶ。「よく取っておいたよね」とSさん。たしかに、小生も幾つかは残してあるかもしれないが、ここまで丹念に保存しているとはスゴイ。実際、とびぬけて絵が上手だ。

中学時代もいいが、高校時代にはもうすでに「大竹伸朗」になっている。芸大を落ちたようだけど、技術的には上手過ぎるくらい。小生も芸大の試験は落ちたが、これは上手過ぎるのではなく下手過ぎたため(たぶん)。大竹氏とは同年生まれで同年に武蔵野美大に入学したから様子はよく分かる。あの頃の何年間か、東京芸大では野見山暁治氏が意欲的にそれまでとは違った試験問題を出していた時期だった。想像で風景画を描きなさいとか、試験の見張りをするのかと思った男性がとつぜんモデルになったり……。受験生はめんくらった。

大学時代は同級生だった、はず。というのは、当時はほとんど知らず、後で人から教えられて、そういえばそういう人もいたな、と思ったていど。ただ、大竹氏は二年目には北海道で暮らすために休学したり、イギリスへ行ってホックニーに会ったりしたようなので、卒業は小生より二年後だ。

大学時代の作品はホックニーふうのイラストっぽいものが多いようだった。大学で描いたものはほとんどなかったように見えた。ただ一点、コンクリートを彫り出して「足」を作った作品が置かれていて、これはとても懐かしかった。共通彫塑という、油絵科やデザイン科の一年生に必修の彫刻の授業、のときに作ったもの。五十センチ角ぐらいのコンクリートの立方体をノミでコツコツ彫って行く。「足」が課題だったのでその年の学生は全員「足」を作っている。これまたちゃんと保存してあるのにも驚かされた。

このときの共通彫塑の先生たちがちょっとすごかった。若林奮、篠田守男、安田春彦というバリバリの現代作家たち。若林奮はカッコよかった。篠田先生は黒サングラスかけてたな。安田先生がいちばん理論派で口うるさかった。ま、これが彫刻科の先生ではないところが、ムサビの古さでもあるのだが(その当時であって後年のことは知らない)。

坊主頭の悪役俳優・六平直政(むさか・なおまさ)は彫刻科大学院中退らしいが、テレビで篠田守男そっくりの自作を紹介しているのを見た記憶がある。彼も一九五四年生まれだから同時期にムサビにいたわけだ。その他には長谷川集平、村上龍、そしてナベツマもいた(これはエッセイに書きました、みんな中退)。

大竹伸朗にもどると、大学を出てからはもう、まったく奔放というか、時代を体現したようなエネルギッシュな制作ぶりが圧巻だった。ある意味、小生も同じ時代を過ごして来たわけだけれども、われわれが美術雑誌などで垣間見るだけだった、その現代美術の先端を彼は常に歩いている。その都度、非常に質の高い作品を生産している。悪く言えば、これぞ大竹伸朗というスタイルを打ち立てたという感じがしない(感じがしないだけで、案外オリジナルかもしれないが)。

コラージュとペインティングを組み合わせた手法は彼の全景を貫いている独自のものではあろうが、九〇年前後の完全に抽象的な時代を過ぎると、それ以降は横尾忠則にかなり近い路線を取って、ノスタルジア(歌謡曲のジャケットや絵葉書、写真の模写)を主題にしたり、現代美術の歴史を逆にサイケデリックからキネティックへと遡り始めた。さてこれからいったい何処へ行くのでしょう……という感じではある。

今展でどの作品が一番心に残ったかというと、小学生時代の鉄腕アトムの肖像、かな。哀愁が漂っている(?)。なお、図録は予約制。ぶ、ぶ厚い束見本がデーンと置いてあった。

Sさんと一緒に常設もゆっくり見たので、疲れ果てた。とにかく広い美術館だ。帰りはタクシーで木場かとも思ったが、バス停があったので行き先を見ると、東京駅丸ノ内北口行(東20)というバスがある。十分ほど待って乗車できた(一時間に二本)。途中、乗ってくるのは無料パスを持ったご老人ばかりであった。

ある方がぜひにと勧めてくれた神田の丸石ビルにある小出由紀子事務所
も訪ねたかったのだが、体力の限界を感じて断念。いずれあらためて訪問したい。



永代橋から東京駅へ。三十分ほどかかった。東京駅前はまた工事中。駅ドームがなかなか。



色鳥や石の足観る全風景_b0081843_15415198.jpg

by sumus_co | 2006-10-20 17:26 | 東京アレコレ日記
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