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赤字にて埋りしゲラや茄子煮える![]() 昨日届いていたのだが、触れられなかった。見よ! ツカ(本の背の幅)は32ミリ。となりに置いたスタンド(本書p353に遠藤哲夫さんが詳しく解説してくれている)のマッチ箱とその幅においては遜色がない! 装幀が素晴らしい。デザインは中林麻衣子、イラストはnakaban。見返しが茶色のクラフト紙なのにはシビレた。ジャケットおよび表紙の用紙も気持ちのいいもの。ラフな手触りで細かいチリが入っている。銘柄はなんだろう? 月ごとに章を区切り、その章扉が黒地にイラスト白ヌキになっている。だから、小口を見ると、毎月がだいたい同じ幅で分けられているのがはっきり分かるのだが、一カ所だけやけに広い(ページを食っている)ところがあると思えば、四月、はじめての一箱古本市が開催された月だった。このときは、箱を送ってもよかったので、いちおう小生も参加したことになる。ほんと、いろいろなことがあったんだなあ。 「ナンダロウアヤシゲな日々」は開始当初から読んでいるから、註や対談(対手は書肆アクセスの畠中さん、含蓄のある発言が光る)などを除いて(といってもこの注釈がかなりな量で、著者の他に遠藤さんと浅生ハルミンさんが一部担当している。なんと「林哲夫」にも註が付いている)、まるで自分の日記を読み返しているような錯覚さえ覚えた。二〇〇五年一年間だけを抜き出したものだから(といってもかなり切り詰めたらしい)、毎年、発行して行けばすごいことになるぞ! で、パラパラとめくって、目に飛び込んできたのが、またもやオランダ書房。向井くんの『早稲田古本屋街』の紹介でも触れたが、ここでは、松村喜雄『乱歩おじさん江戸川乱歩論』(晶文社)の引用だった。松村の出征を見送るときに乱歩と岡田甫は出会って交流が始まったのだという。 《その頃、岡田氏は早稲田グランド坂上で「オランダ書房」という古本屋を開業していた。そこが一種の社交場となり、私などは昼食、夕食を御馳走になって、一日中駄べっていた》 その頃、というのは出征する前だろうから、戦時中ということになる。いつの時代にもサロンとしての古本屋がなくなることはない。 例によって「栞」がたいしたものだ。津野海太郎、坂口仁、郷田貴子、山本善行、堀切直人の各氏が執筆している。坂口氏はさっぽろ萌黄書店さんであるが、その他の人々については『路上派遊書日記』の索引で容易に南陀楼氏との関係が分かるし、ある意味、象徴的な人選でもあろう。そこに堀切氏がこう書いておられる。 《モクローくんの文章は仕上がりのタッチがなめらかで、突っかえることなく、さらさらと気楽に読み進めることができる。ただし、じつは細部まで神経が行き届き、入念な工夫が凝らされていて、そのことは再読、三読してみるとよく分かる》 まったく同感である。渾身の日記本、買ってゼッタイ損はない。 ・ 久しぶりMさんの古書メールあり。 《行ってきました。天神さん。朝10時前には到着して、百円均一の前に。反対側を見ると、エルマガの表紙を飾った古本ソムリエ山本さん。ぐるぐると何回均一台を回ったでしょう。何度も山本さんに鉢合わせ。本を積み上げて「どうですか。これなんかいい感じでしょう。中を見るのが楽しみで。」とおっしゃる。今回は四天王寺と時期がずれているので、ゆっくりと出来ました。「風景 船橋聖一・追悼第187終刊号」、「洋酒天国22」(五味康祐が銀座のバーで和服の美女と踊っている写真が入ってます)、「大阪手帖」戦前版、「彼岸過迄四篇」漱石縮刷版函欠、「復活前編」内田魯庵訳春陽堂世界名作文庫、「外村繁全集第1巻」函背欠、新潮社の探偵小説文庫2冊(カバー欠)等、とにかく楽しみました。帰りに生まれて初めてエルマガを買いました。》 うらやましい……。
by sumus_co
| 2006-09-28 20:18
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