神戸の古書店地図を作るべく、リストを作成している。街の草さんに昭和二十三年の組合員名簿をコピーしてもらった。さすが戦後すぐだけにむちゃくちゃ多い。葺合区、生田区(合併して中央区になった)だけで五十店舗はあった。現在、日本の古本屋で検索すると、兵庫県下に93店である(店舗なしも含む)。
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集英社の『青春と読書』8月号、森詠の連載「はるか青春」は毎回おもしろく読んでいる。駆け出し編集者だった六〇年代末から七〇年代初めの回想。
《ゴールデン街のバー「ふらて」には、ジャズ評論家で詩人の奥成達や相倉久人、漫画家の赤塚不二夫、長谷邦夫、まだ売り出す前のタモリ、ジャズ・ピアニストの山下洋輔、サックスの坂田明などが出入りし、冗談やギャグを飛ばし合い、わきあいあい楽しく飲んでいた》
という一節があった。今年の三月に連れて行ってもらった新宿三丁目駅の近くの「ふらて」の前身ということなのだろうか。現在の「ふらて」にも奥成氏ら『gui』の同人たちが集まるということがどこかに書かれていた(guiは「とまり木」という意味)。
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ひょんなことから
寺田寅彦記念館の雑誌『槲』50号、『寅彦さん物語』(恒石直和、二〇〇四年再版)をいただく。寅彦は愛煙家で十五、六歳頃から煙草を吸い始め、胃を患ったときに、医者から止めろと言われても、吸い続けたそうだ。
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昨日50円で買った春陽堂少年文庫。表紙画は木村荘八(外国の装飾図案集からのパクリ)。この奥付けに《印刷者 木呂子斗鬼次》とあって、ちょっと意外だった。木呂子は春陽堂の番頭として大家の日記などにしばしば登場する人物(神保町系オタオタ日記参照)。春陽堂は印刷所も経営していたのかもしれない。小川菊松『出版興亡五十年』(誠文堂新光社、一九五三年)には《和田君と私とは明治印刷株式会社を共営したことがあつた》とある(大正十一年設立)。