茄子を食べて死ぬことがあるという。茄子と言っても曼荼羅華(テウセンアサガホ=チョウセンアサガオ)だが。ナス科の植物は数多い。代表的なのは、トマト、ジャガイモ、タバコ、トウガラシ、ホウズキ。どれもちょっとクセがあるというか毒っぽい感じだ。多少科学的に言えば《特有のアルカロイドを含む。薬理作用をもつものが多い》ということになる。

季村さんより宮崎修二朗『神戸文学史夜話』(天秤発行所、一九六四年)をいただく。宮崎修二朗は神戸新聞社の出版部で「のじぎく文庫」の編集長をやっていたとか。明治以降の神戸文学史におけるトピックを拾い出して短くまとめてあり楽しく読める。少し紹介する。
木村曙(岡本栄子)
『婦女の鑑』『操くらべ』『わか松』などの小説を書いて十八歳で夭逝した女流作家木村曙は木村荘平の長女で、現神戸市栄町に明治五年に生まれた。木村荘平は当時、神戸で貿易茶商を営んでおり、『神戸花香美新聞』の発行にも関係していたという。
ついでに補っておくと、明治十一年に東京警視庁大警視川路利良から東京に呼ばれ、屠場の経営にあたることになった(内澤旬子さんのテリトリーなり)。これが後にかの有名な牛鍋チェーン「いろは」を展開するきっかけだった。なお、宮崎は木村荘平の出身を滋賀県としているが、京都の宇治田原(すなわち宇治茶の本場)のようである。
水越耕南
神戸開化風景を詠った水越耕南の漢詩集『開口新詞』(鳩居堂)から原詩と宮崎の井伏鱒二ふう戯訳で「外人居留地」。耕南は南画家水越松南の父。
仏珠英貨競豪華 世界ノ金ガヒシメキ合ツテ
十字街頭人語譁 ぴいちくぱあちく街ノカド
中有清奴能解事 ナジミノ阿茶サン花ヲ売ル
一盆春売水仙花 ソノスイセンニハルノイロ