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つぎつぎと書に手をつける梅雨入前
[6月4日のつづき]
晩鮭亭さんに声をかけられる。辰野隆『燈前茶後』(日本出版共同、一九四九年)の著者献呈署名本をくださるという。有り難く頂戴する。渡辺一夫装幀本。 ![]() 下はフェアー中にお買い上げいただいた方に差し上げる小冊子。選んだ本について短いコメントをつけているので、ぜひ入手していただきたい。 ![]() UBC会場へ戻ると、『文字力100』の売れ行きが良くて、サイン本がなくなりそうだ。さっそく残りにサインを入れて展示する。五十冊がほとんどなくなるといううれしい誤算。 神奈川近代文学館で扶桑書房さんのレクチャーを聴いて、書庫を見学してきたというヨシケン氏に『神奈川近代文学館年報2004年度』(二〇〇五年)をいただく。 向井くんが退屈男さんを紹介してくれる。いかにもフットワークが軽そうな若者である。 ![]() そこうしているうちに、午後七時過ぎ、岡崎・黒岩トークが始まった。観客は六十人弱。ちょうどいいかんじ。黒岩さんの『伝書鳩』(文春新書、二〇〇〇年)が岡崎氏の目に留まったことから二人の関係は始まり、五反田や神田の古書展で顔を会わす仲になった。okatakeの日記を検索すると、《黒岩比佐子》は2005年10月14日に、それ以前《「伝書鳩」比佐子さん》が2005年9月17日に初めて出ている。このときは五反田で二人してお茶を飲み、黒岩さんが書評の御礼にとごちそうしている。 黒岩さんの古書道は伝書鳩の資料を集めるところからスタートした。今ではもう立派な古本者になっておられるようだが、ということは、まだ六年ていどのキャリアなのだ。「古書の森日記」を拝見すると、とうていそうとは思えないレベルにまで到達しておられる。 村井弦斎との出会いも伝書鳩がきっかけで(村井弦斎に『伝書鳩』という小説がある)、カナブンに死蔵されていた段ボール箱何十という村井弦斎資料を発見して「これだ!」と思い、徹底的に調べ尽くした(まったくの自腹)、出版のあてもなく1000枚の原稿を書いた、それを600枚ていどまで絞り込んで『「食道楽」の人村井弦斎』(岩波書店、二〇〇四年)にまとめ上げた。これも持ち込みだというからすごい。その甲斐あってサントリー学芸賞受賞。 それまではしがない(失礼)フリーのライターだった、『アイ・フィール』(二〇〇四年冬号)の岡崎・角田対談をまとめたのも黒岩さんで、そのときが初対面だったらしい。むろん特集には黒岩さんの名前は出ていない、まったくの黒岩黒子。岡崎氏も彼女のことを認識していなかったそうだ。 『伝書鳩』はそんなに話題にはならなかったが、非常に濃い少数のマニアから絶賛された。そのなかの一人、あの岡林信康から感想の手紙が届いた(現物持参されていた)。鳩が大好きで、自分でこういう本を書きたかった云々の内容で、以後、二人はハト友達になったとか。意外だなあ。 黒岩さんはこういう場所でしゃべるのは初めてだというが、そうとう場慣れした感じで落ち着いて見えた。練達のインタヴュアーだから少々のことではひるむことはなさそうだ。今後ますますその活躍が期待される書き手である。 トーク終了後、岡崎氏の紹介が絶妙だったこともあり、会場に用意されていた『伝書鳩』は、文字通り、飛ぶように売れていた。 岡崎氏、黒岩さん、黒岩さんの関係者三方、晶文社のTさん、静岡の書店の方、火星の庭さん、ウンチクで升屋へ。日曜日なので神保町は休みの店が多い。晶文社の水害について面白い話をいろいろ。火星の庭では俳句熱が高いらしい。ウンチクの俳句を楽しみにしてくださっていると聞いて赤面する。仙台へ吟行に行こうかなあ……(おだてられるとすぐその気なる悪い癖)。 十時過ぎに解散。今夜は春日の東横インに泊まるので、同じ方向の黒岩さんと三田線に乗り、文春新書の編集長細井さんの話など。古本道の精進を祈って春日駅で別れる。 ホテルでTVをつけると、サッカーW杯日本代表の練習試合、対マルタ戦をやっていた。1-0でなんとか勝つ。試合が近いのでまあこんなものだろう。シャワーを浴びて就寝。
by sumus_co
| 2006-06-04 09:00
| 東京アレコレ日記
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