『サンパン』続きを読む。向井氏の店番日記、散文詩のおもむきである。菅野俊之氏の「たった二人の氾濫社」も参考になった。真尾倍弘(ましお・ますひろ)と悦子がいわき市で営んでいた出版社である。真尾悦子には『阿佐ヶ谷貧乏物語』(筑摩書房、一九九四年)があるが、これは未読なのでぜひ読んでみたい。
ちょうど今日、装幀をさせてもらった高橋輝次氏の新著が届いた。『関西古本探検—知られざる著者・出版社との出会い』(右文書院)である。見本なので、まだ書店には並んでいない(しばしお持ちを)。このなかに江口榛一と赤坂書店に関する記述があるのだが、そこに『阿佐ヶ谷貧乏物語』が出てくる。真尾悦子は、外村繁が編集をしていた赤坂書店の雑誌『素直』を手伝っていた。文壇社に勤めていた夫とともに外村家に間借りしていた敗戦後間もない時代の回想だそうだ。ますます読みたくなってきた。
『関西古本探検』は、デイリー・スムースでも何度か紹介したように、創元社のサイト上での連載をまとめたもの。他に何編かの書き下ろしも加えて構成されている。いかにも高橋氏らしい手つきで、忘られた編集者や作家を発掘し自分なりに調べて行く過程が、なかなかに面白い。ただ、いろいろな名前が飛び交うので、ちょっと面食らうところもあるのだが、今回は人名・書名の索引が付いている。これは後々役立ちそうで、ありがたい。

銀座での個展が終わってから、ずっとかかりきりだった「文字力100」の原稿、ようやく書き上げた。あとは全体のバランスをみて、データチェックをして、写真を撮る……で、なんとか黄金週間明けと同時に入稿したいと思っている。初の書き下ろしダ!