
本日、河原町通りの mina というビルにあるユニクロで洋服を見ていたところ、「林さん!」と声をかけられた。扉野氏だった(今月三度目の予期せぬ遭遇!)。東京での
「藤井 豊「僕、馬 I am a HORSE」展」から戻ったばかり。オープニングトークは盛況だったとのこと、何より。「今、メリーゴーランドで、もう亡くなった方なんですが、面白い展覧会をやってますよ。谷内六郎みたいな絵なんですよ」と言われて、へえ、と思って足を運んだ、もちろん三密堂書店をちょっと覗いてから。
この作家(と言えるのかどうか、生前は発表していなかったらしい)を発見したのは若い絵かきさんだという。手書きの説明文にはこのようにあった。
《安保倶一、兵庫生まれ。
東京に上京しデパートのディスプレイデザインなどを担当。のちに兵庫にもどり、半身不随になりながらも筆を執り、絵を楽しんだ。
安保倶一氏は無名の画家でしたが、その愛らしい、小さな絵の中には、確かな息づかいが感じられます。
この小さいながらも確かな絵の世界からは、同時代を生きた、もう一人の画家。長谷川潾二郎氏の次の言葉が思い出されます。「よい画はその周囲をよい匂いで染める。よい画は絶えずよい匂いを発散する。よい匂い、それは人間の魂の匂いだ。人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。」》

額縁も手作りだという安保(あぼ)氏の作品はわずか六点だけの展示だったが、たしかに「よい匂い」が香るようであった。色の使い方に特に感心した。おそらくそのあたりによい匂いの秘密があるように思う。
無名の画家ということで関連させると、たまたま、9月21日から洲之内徹生誕百年記念のコレクション展がギャラリー島田で開かれることになった。洲之内徹がエッセイに書いた画家たちの作品が並ぶ。21日、初日の午後五時より、洲之内徹の臨終にも立ち会った画家の木下晋さんと小生がトークをすることになった。トークといっても小生は木下さんの話を引き出す役割になるだろう。今からどんな話が聞けるのが楽しみでならない。入場無料(要予約)ですので、お近くの方、洲之内徹にご興味のある方、ぜひご参加ください。