
『北海道 駅名の起源』(池田晴男編、日本国有鉄道、一九六二年三月一日十三版)。先日の
中島峻蔵『北方文明史話』に関して「こういう本もありますよ」と某氏が送ってくださった。深謝です。
初版は昭和四年らしいが、人気があったようで、何度か改訂もされ版を重ねている。ざっと目を通してみても、駅名の由来を論じただけでなく、「北海道国郡名の起源」「アイヌ語地名単語集」「北海道の鉄道機構の推移」など、思わず読み込んでしまう内容になっているから、数多い重版も当然かもしれない。折り込み北海道鉄道図も付録している。

地名の語源は先日引用した中島峻蔵によるものとは少し異なるところもある。改訂においては高倉新一郎、知里真志保、更科源蔵、河野広道ら専門家の検討を経たと序文で根来幸次郎(札幌鉄道管理局長)は述べている。代表的な地名についていくつか例示しておく。
札幌 サリ・ポロ・ペッ(その葦原が広大な川)
余市 イ・オッ・イ(それが群生する所)〜イヨチ(蛇の多い処)の転訛
旭川 チュウ・ペッ(瀬の早い川)の誤転チュプペッ(日の川)の意訳
稚内 ヤム・ワッカ・ナイ(冷たい飲水の川)
礼文 レプンケ・プ(沖へ突き出ている所)
根室 ニムヲロ(樹木の茂つた処)とされるが、メム・オロ・ペッ(湧壺・そこにある・川)
この本については明日以降もう少し紹介したい。下の写真は撮影場所、発行年など不詳の絵葉書。架蔵のもの。写真用ペーパーをそのまま絵葉書として使っているようだ。「ORIENTAL OK PHOTO PAPER」と印刷されている。おそらくは戦前であろう。