
『トウケイ』第二号(鳥取県統計協会、一九三六年七月三〇日)。この表紙がすごい。ロトチェンコかと思った(!)。久々のジャケ買い。残念ながら作者名は記載されていない。
鳥取県統計協会は県庁統計課内にあったようだが、この雑誌は誌代一部十五銭で商店広告も載っているから、一般雑誌と同じような扱いだったのかもしれない。編集兼発行人は犬丸實(同県統計課長)。当時の知事は立田清辰(たつたきよとき、第二十九代、昭和十一〜十四年)。
さまざまな統計に関する記事があるなかに、昭和十年施行の国勢調査による確定人口が掲載されていた。
全国 69,254,148
東京府 6,369,919
大阪府 4,297,174
続いて北海道、兵庫県、愛知県、福岡県、新潟県、静岡県、神奈川県、広島県、長野県という順位で、次が
京都府 1,702,508
である。そして当の鳥取県は全国最少だった。
鳥取県 490,461
なお鳥取県の平成二十五年七月一日現在の推計人口は578,052人。二〇一〇年の国勢調査でもやはり全国最少である。
日本一もある。二十世紀梨。《栽培反別は約三百五十町歩で九十万貫[3,375,000kg]を産し、価額四十三万円に達している》。それが平成十八年には17,200,000kgでやはり二十世紀梨の生産量では日本一(ただし、二十世紀梨が全ての梨の生産量に占める割合は約一割である)。
他に裏話的なコラム欄にいくつか変った数字が出ている。まずは自殺者数(「ブランコ乗り」と呼ばれていた)。昭和十年、既遂83名、未遂32名。これが平成二十三年では147名である。人口倍率は約1.18倍だから、既遂だけで較べると、現在の方が自殺率はかなり高いということになる。
また、昭和十年中における火災度数は142とある。平成二十四年における建物だけの火災発生数は136。これは減っていると考えていいだろう。
他には鳥取市の娼妓数76名(昭和十年末)、貸座敷数46、遊客人員69,096、消費金額242,330円、一人当たり消費額3円51銭。昭和十年、映画館の入場者数は1,013,784人、県民が一人当たり年に二回半見たことになる。観覧料は最高50銭、最低5銭。ざっと180,000円の興行収入があったとしている。……トウケイ数字というのも、なかなかに興味深いものである。

表紙4の広告「鳥越呉服店 鳥取市智頭街道筋四ッ角」。これは検索すると鳥取市元町102のようで、現在も鳥越呉服店として登録されているようだ。他にはこういう情報も得られた。
鳥越すゑ(1897~?) 早川氏、(鳥越すえ)。鳥越呉服店。政治家(鳥取市議会議員)。参考資料:山陰評論。