
大阪大学総合学術博物館叢書9『戦後大阪のアヴァンギャルド芸術 焼け跡から万博前夜まで』(
大阪大学出版会、二〇一三年七月一日)を頂戴した。御礼申し上げます。以前報告した「オオサカがとんがっていた時代」展の図録である。
阪大で「オオサカがとんがっていた時代」を見る
http://sumus.exblog.jp/20455100/
戦後、万博前夜までの大阪のアヴァンギャルド状況が、美術、デザイン、音楽、都市などのジャンルにわたって俯瞰されているが、やはり具体美術、グタイピナコテカの活動についてはとくに重要な資料となっているように思う。アルバムに写っている海外からの来訪者をざっと挙げると、ペギー・グッゲンハイム、小野洋子、ジョン・ケージ、ミッシェル・タピエ、サム・フランシス、ジャスパー・ジョーンズ、イサム・ノグチ、ロバート・ラウシェンバーグなどなど、大物ずらり。世界が注目していたと言って過言ではない。表紙の上の写真がグタイピナコテカ(醤油倉を改造した美術館)と具体会員たち。
詳しいことは本書をお求めいただくとして(2400円)、図版のなかで好きなものを並べる。まずは小石清「スマイル目薬」(一九三〇年)。小石については下記に少しだけ書いた。
レンズの狩人
http://sumus.exblog.jp/19040455/

そしてジョン・ケージのオトグラフ。一九六二年の来日に際して草月アートセンターに送ったプログラム用原稿。
《I FEEL THAT MY GRAPH MUSIC IS CONCEIVED NOT SO MUCH AS A WORK OF ART BUT RATHER THE "WORKINGS" OF ART. OR PUT IN ANOTHER WAY : THE SOUNDS HERE ARE NEITHER DEPENDENT, INTER-DEPENDENT NOR RELATED TO THE WHOLE……YET THE "WHOLE" OF COURSE ENCOMPASSES THE ALL.》
これはさすがにジョン・ケージらしい禅問答のような言葉である。そういえば、ジョン・ケージを特集した『美術手帖』にケージのソノシートが付いているものがあったことを思い出した(一九七〇年一二月号でした)。

フォンタナの作品二点。「イタリア現代絵画フォンタナ、カポグロッシ展」(一九六四年六月)より。典型的なフォンタナ作品だが、やはり現在の目で見てもスマートに決まっている。