留守中に頂戴していた『えむえむ』第五号(熊田司、二〇一三年五月三〇日)、これがなんと木口木版画特集である。
パリの宿からユゴー全集の挿絵について投稿していたのは、まったくの偶然もいいところだが、いつもながら熊田コレクションの奥深さを思い知らされる。
この号は日欧木口木版画対決(比較)になっており、その意味でも興味深い。熊田氏によれば、これまで木口木版画を主題とした展覧会は「日本の木口木版」(板橋美術館、一九九三年)ただ一度限りだとか。もったいない。
《別名写真木版と呼ばれるように、実用的な説明図版に多用され、二十年代末に写真製版が普及するとたちまち凋落してゆきました。通俗的で藝術性にはほど遠い物と見做されることが多いようですが、私などはその微細は鑿痕に一種マニャックな「痙攣美」を感じます。
文藝と相携える木口作品の紹介は次号にゆずり、本号ではこうした明治の木口図版を、本家欧州の典型的な作例とあわせて掲載しました。》
次号も引き続き木口木版作品を堪能できるようだ。『えむえむ』入手は古書善行堂まで。なお小生もささやかながら木口木版画には注意を払って来た。このブログでもそれなりに取り上げているのでご参照のほどを。
ピエール・ルイス『アフロディート、古代風俗』
http://sumus.exblog.jp/16083729/
マックス・エルンスト『慈善週間または七大元素』
http://sumus.exblog.jp/11524274/
ギ・ド・モーパッサンの詩集『Des Vers(詩)』
http://sumus.exblog.jp/9433538/
藤井健次郎『普通教育植物学教科書』
http://sumus.exblog.jp/11516970/
『国民之友』百拾九号
http://sumus.exblog.jp/11632009/
三浦守治『剖検法』
http://sumus.exblog.jp/13272537/
SHORTER MIDDLE-SCHOOL LESSONS No.2
http://sumus.exblog.jp/13732267/